2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

三日月をけずる 服部誕詩集

2018年9月、書肆山田から刊行された服部誕(1952~)の第5詩集。装幀は亜令。第14回三好達治賞受賞作品。 子どもの頃に通っていた床屋は、年取ったおじいさんがひとりでやっている店で、大きな理容椅子はふたつあったのですが、使われているのは、いつも手前…

邪鬼 MAGATSUMI 金田弘詩集

1986年12月、花神社から刊行された金田弘(1921~2013)の詩集。扉字は羊歯三郎、装幀は坪田政彦。 どういうわけか、また詩集を出すことになってしまった。この年になっても好ましいと思われる詩が極めて少ないのは残念だ。 私の詩はともかくとして、坪田政…

サーモンの缶詰 山根研一詩集

1997年10月、砂子屋書房から刊行された山根研一(1942~)の第4詩集。装本は倉本修。 目次 サーモンの缶詰 豚舎 カブト虫 虫の唄 鯨 D-51蒸気機関車 梟 顔を喪くした男 梟とワタシ 一里塚 天皇ヒロヒト氏 北京の雨 ハリー 鮟鱇(あんこう) 縄と罠 モナリザ …

わが伝説曲  廣田善緒詩集 

1964年9月、輪の会から刊行された廣田善緒の第3詩集。 目次 序章(昭和三十年)<朗読と混声合唱のためのオラトリオ「石の声」より抜粋 ●植物誌・断片(昭和三十八年) 鬼枸杞 石解 へくそ葛 ひがん花 侘助 山帰来 石蕗 ●わが伝説曲(昭和三十1年) 悪日の終り 微…

はじめての泉 野沢暎詩集

1977年4月、彌生書房から刊行された野沢暎(1938~)の第2詩集。 この詩集に収めた二十五篇の作品は一九六三年から一九六六年にかけて、同人詩誌「暴走」「凶区」「艶」などに発表したので、私にとっていわば十余年前の古傷を晒するのといえます。 この作品…

海へ 森本敏子詩集

1960年5月、再現社から刊行された森本敏子(1930~)の第1詩集。装幀は藤本邦之。 一九五五年から一九五九年までの作品を第一詩集としてまとめました。昼間は勿論夜にまで雑用のもちこまれるあわたゞしい暮しの中の、わずかなきれめに書き残した作品の、これ…

川崎彰彦傑作撰

2016年4月、川崎彰彦傑作撰刊行委員会(中野朗、中山明展)から刊行された川崎彰彦(1933~2010)の選集。装画・装幀は栗津謙太郎。 目次 川崎彰彦の遺言「河童頭狗肉の記」 第一部 遺言編 ミケランジェロと雲雀 高畑 夏――フォークロアないし『愛知川の河童…

悲歌  君本昌久詩集

1966年1月、蜘蛛出版社から刊行された君本昌久(1928~1997)の第5詩集。絵は網谷義郎。 目次 悲歌 色の世界 この平和 feeling 鎮魂歌 夜の唄 無言歌 ああ 平和 今年が過ぎてゆく 日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

さくら さくらん 高橋順子詩集

2019年11月、デコから刊行された高橋順子の第13詩集。装幀は菊地敦己。 単行詩集としてはこれが十三冊目となります。 初出紙誌は第I章が「森羅」「櫻尺」「花椿」「葡萄」「山梨日日新聞」「歴程」「短歌往来」「抒情文芸」、第Ⅱ章はデコ編集制作による健康…

川師  鷲谷峰雄詩集

1993年10月、思潮社から刊行された鷲谷峰雄(1943〜)の第6詩集。 目次Ⅰ 川師 川漁師 火夫 辻音楽師 調教師 羊飼い 猿回し 鷹匠 鵜匠 木地師 舟大工 木匠 森番 夜警 番傘職人 Ⅱ 卵 空地 影踏み 透明人間 冬の自転車 通り魔 豚小屋 水槽 あとがき NDLで検索Am…

水の匂い 近藤久也詩集

2020年2月、栗売社分室から刊行された近藤久也(1956~)の第8詩集。装画装幀は長谷川集平。 夜がくだかれ光になって散らばる町に男が横たわっている彼はやがて家々の地平線を越えていのちの水をまたぐ男の大いなる眠りのなか幾つもの詩が釣りあげられここに…

美男 安西均詩集

1958年2月、昭森社から刊行された安西均(1919~1994)の第2詩集。書は篠田桃紅。 これは、私の第二詩集である。 第一詩集『花の店』(学風書院刊)に編み残した作品のなかから若干を選びさらにその後に書いた作品を加えてみた。『花の店』のあとがきにも書い…

小鳥たち 山尾悠子・中川多理

2019年7月、ステュディオ・パラボリカから刊行された山尾悠子(文)と中川多理(人形・写真)による画文集。 目次 小鳥たち 小鳥たち、その春の廃園の 小鳥の葬送 中川多理さんと小鳥たちのこと――あとがきに代えて 山尾悠子あとがき 中川多理。 NDLで検索hon…

遠野 山本美代子詩集

1990年9月、花神社から刊行された山本美代子(1932~)の第6詩集。装幀は熊谷博人。 これらの詩は、「遠野物語」という、不思議なORGANに共鳴するこわれかけた手風琴の、ひびきのようなものでもあろうか。遠野という言葉は、初めて出会ったとき、ひとつの音…

紺色の陽 武田隆子詩集

1978年6月、風社から刊行された武田隆子(1909~2008)の詩集。レイアウトはワシオ・トシヒコ。表紙は著者。 目次 晩秋 一枚の襁褓 石地蔵よ何処へ行くそして私は 石地蔵は所を得て 蝶は 何 蝶の影 叫び声 海に向かって 大宗寺を訪れて 廃屋の前で 靴の中の…

山本美代子詩集 山本美代子

1982年5月芸風書院から刊行された山本美代子(1932~)の詩選集。日本現代女流詩人叢書第11集。 目次 鮫 青春 ある呪阻 あじさい 時間 春 学校 語部 鳥籠 踏絵 帰郷 祭鳩人正 植木 皿 反歌 ピアノ 晴れた日には 手回しオルガン 母へ 口よせ 泣き女 正贄 人魚…

水を聴く 高浦銘子句集

1990年10月、牧羊社から刊行された高浦銘子(1960~)の第1句集。 桃咲いていちばんやさしい人でゐる 人声はとほく落花は激しかり 逢ひにゆく道カンナの緋途切れざる 茶の花はほのかなるほのかなる花 臘梅の花のひとりが瞬きぬ 高浦銘子さんの第一句集『水を…

謝肉祭  山本美代子詩集

1981年12月、蜘蛛出版社から刊行された山本美代子(1932~)の第4詩集。写真は梅村光明、装幀は君本昌久。 数年まえ、病気をして生死の境をさまよっ てい たとき、どこからか聞とえてきた静かなオルガンの調べのせいでもあるのか、それからの私の生活は、ど…

大阪 小野十三郎詩集

1953年6月、創元社から刊行された小野十三郎(1903~1996)の詩集。表紙は中村真。写真は河野徹。 私がこの詩集の第一部をなす作品を、最初に同じく「大阪」という題の下にまとめ世に問うたのは、いまから十四年昔、昭和十四年である。私にとってはいろいろ…

銀行員の詩集 1952年版

1952年5月、全国銀行従業員組合連合会文化部から刊行されたアンソロジー。選者は野間宏と伊藤信吉。装幀は、日本興業銀行美術サークル、大阪銀行従組東日本支部美術サークル。 石垣りん作品は、「祖国」が「1.ふるさとの四季に歌う」に、「私の前にある鍋…

片耳の、芒 瀬崎祐詩集

2016年10月、思潮社から刊行された瀬崎祐(1947~)の第6詩集。 現実の仕事として肉体に長く触れてきた。生命の誕生とその終焉にも関わってきた。それは疑う余地のない価値をともなう実の世界だった。四年前の詩集では、それに拮抗する虚の世界の構築を夢想…

方舟 山本美代子詩集

1968年9月、蜘蛛出版社から刊行された山本美代子(1932〜)の第1詩集。 あらゆることが自在に託されて、自由で単純で新鮮な詩の原形への憧れが、わたしの模索の向うにはいつもありました。 でもその幻の原形は、いまもなお幻のままでわたしの外に存在してい…

窓都市、水の在りか 瀬崎祐詩集

2012年1月、思潮社から刊行された瀬崎祐(1947~)の第5詩集。カバー写真は、高吉麟太郎。 前詩集を出してから四年あまりが過ぎた。その間、伝達手段とは異なる言葉を用いて嘘の世界を構築しようとしてきた。現実世界に対峙しうるもうひとつの世界の構築を夢…

鳥 安水稔和詩集

1958年11月、くろおべす社から刊行された安水稔和(1931~)の第3詩集。第9回H氏賞候補作品。 目次 Ⅰ 鳥 鳥よ 井戸にはまった鳥 飛ぶ意志 君は鳥 鳥よ 鳥を葬る 五月の鳥 今撃とうとする鳥に 鳥の話 鳥 鳥 鳥 鳥 蜘蛛 蜘蛛 蜘蛛 蜘蛛 獣 魚をみた 魚 魚 魚 Ⅱ…

オープン・ザ・ドア 近藤久也詩集

2014年9月、思潮社から刊行された近藤久也(1956~)の第6詩集。装幀は近藤祈美栄。 目で見たものや実感した(はず)のものは日常の言葉に置き換えるとどうもわざとらしく、ぎこちなくなるのはどうしてだろう。置き換え作業はどこかいかがわしい操作のようだ。…

愛について 安水稔和詩集

1956年9月、人文書院から刊行された安水稔和(1931~)の第2詩集。装幀は中西勝。 目次 君はかわいいと、 いやなんです 君がほしい ぼくはあなたの先生です あなたの体が 愛するとは 疲れて うかがわれている。 ふたりは 期待について 愛の正体 愛 その 愛 …

生きる秘密 浜田優詩集

2012年10月、思潮社から刊行された浜田優の第5詩集。装幀は伊勢功治。 目次 約束 不帰行 無人の☆ 霧の中の夜営 雨と台座 大釜淵 風と捕虫網 雷の落し子 一九九〇年夏、京都 ビブラート 魚沼の五月 秋に舞って 雪に映して 夢の残り 夜の嘴 うぶ毛のある鳥肌 …

存在のための歌 安水稔和詩集

1955年3月、くろおべす社から刊行された安水稔和(1931~)の第1詩集。装幀は中西勝。 目次 1 新年 季節 高原 都市 歌ふたつ 存在のための歌 2 一九五四年五月の歌 旅の歌 街の歌 真昼の歌 日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

CUBE 川江一二三詩集

2006年11月、ミッドナイト・プレスから刊行された川江一二三の詩集。装幀は大原信泉。川江はポエケット主宰者。 目次 第一夜/青と黒と 第一夜から二夜/笑う血 第二夜/イヴの寝台 第二夜から三夜/トリック・オイスター 第三夜/ベランダで萌え 第三夜から四夜/…

火の陰翳 桑原正紀歌集

1986年11月、石川書房から刊行された桑原正紀(1948~)の第1歌集。コスモス叢書第261篇。 とうとう私も歌集を出すことになったか、というのが実感である。今まであまり熱心な歌人ではなかったもう一人の私が、どこかでシニカルな笑いを浮かべているようで何…