2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

月の輪書林 古書目録を一考す。 かわじもとたか

2016年1月、杉並けやき出版から刊行されたかわじもとたか(1949~)による古書エッセイ集。著者は高知市生まれ。 これは「月の輪書林古書目録を一考す。」と題しているが古書目録論ではない。つまり論評ではないのである。一目見た時に感じる「何かを感じた…

北畠重直詩集

1988年3月、不動工房から刊行された北畠重直の第4詩集。刊行時の著者の住所は三重県度会郡。 「荒地詩集」を読んだのが高校二・三年生の頃であった。地方の高校生としては早熟と言えるが、それは自分が早熟なのではなく早熟な友人が居たからである。初期のユ…

朝鮮と則武三雄 青山雨子

2020年11月、日野川図書から刊行された青山雨子(1961~)による則武三雄研究書。 私が則武三雄に興味を持ったのは、福井の詩人、広部英一全集を手にしたことからだった。この本を半分ほど読んだところで、無性に則武三雄のことが気になってきた。県下では則…

雪岱を憶う 美しき哀しきもの 森田その編

1978年4月、私家版として刊行された小村雪岱の回想録。編者の森田そのは、小村雪岱の従姉妹。表紙は長谷川貞夫「藪椿と白雁」。 目次 秩父谷秘話を読んで 中村義弘 母の言葉から 森田その 小村雪岱について 石井源一 雪岱画伯を想う 浅野誠一 雪岱のある若き…

ボックスライフ 神崎良造詩集

1988年1月、手帖舎から刊行された神崎良造(1957~)の第2詩集。装幀は宮園洋。火片叢書29。著者は倉敷市生まれ、刊行時の住所は倉敷市。 目次 1 TELEPHONE・BOX 困多苦人族 シート・ベルト カード テレホン・カード HOUWA 2 CITY・BOY 箱入り息子 招かざ…

長女 野澤富美子

1940年11月、第一公論社から刊行された野澤富美子(1921~2017)の短編小説集。装幀は鈴木信太郎。 目次 長女 陽のない屋根 過失 横水君子 凝視 ある二十六歳の男 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

詩の立会人 大野新随筆選集

2020年4月、サンライズ出版から刊行された大野新(1928~2010)の随筆選集。編者は外村彰と苗村吉昭。 目次 Ⅰ 人生の感懐 水と魂 より 落書き 声 ある「旅」 八月十五日前後 十一月遡行 いまは はじめよう 合図――六月のうた 本気の凹面――八月のうた サム・サ…

火の命 尹敏哲詩集

1992年10月、浮游社から刊行された尹敏哲(ユン・ミンチョル)の第1詩集。著者は1952年、和歌山県生まれ。刊行時の著者の住所は和歌山市。 目次 Ⅰ 「在日」の章 窓 追憶 息子に 震災 Ⅱ 宇宙の章 もうひとつの宇宙 未来へ 星の静かに降る夜は 狼のように 宇宙…

独身者 ミュリエル・スパーク/工藤昭雄

1962年2月、新潮社から刊行されたミュリエル・スパーク(1918~2006)の長編小説。翻訳は工藤昭雄。 目次 独身者訳者あとがき NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

ガラスの檻 稲葉京子歌集

1963年、作風社から刊行された稲葉京子(1933~2016)の第1歌集。 稲葉さんの歌には、人の胸をぐさりと突き刺して平気でいるといったところがあり、そういうところを私はかねがね頼もしいと思っている。女の人の業のようなものを、いろんなことに仮託して歌…

雉狩り図 西森茂詩集

1994年2月、書房ふたばから刊行された西森茂(1933~2014)の詩集。表紙絵は著者。刊行時の著者の住所は高知県日高村。 早いものである。『野兎の決断』をまとめてから四年目が過ぎようとしている。当初からのテーマは「死」の認識が重要な中心であったが、…

わたしたちが良い時をすごしていると 片桐ユズル詩集

2011年7月、コールサック社から刊行された片桐ユズル(1931~)の第3詩集。編集は鈴木比佐雄。カバー画はマン・レイ。付録栞は鈴木比佐雄による解説。著者は東京生まれ。 この詩集は、英語流にいうと"Later Poems"すなわちわたしの後半生の詩を集めました。…

わたし日記を書いたの 佐々木たづ

1969年2月、講談社から刊行された佐々木たづ(1932~)の米国留学日記。パーキンス盲学校(ヘレン・ケラー卒業校)に16ヵ月就学した記録をその盲導犬の日記として書いたもの。絵は長尾みのる、装本は辻村益朗。著者は東京生まれ、1950年に両眼失明。 これは、…

一行の夢を見た 滝本明

2005年7月、白地社から刊行された滝本明(1943~)のエッセイ集。企画・編集は青野久美。カバー装画は片山昭弘、装幀は倉本修。著者は大阪生まれ。 目次 第一章 情報解体新書 インフラの変容 自然の情報について 世界の構造 文化といういろどり 情報の互換性…

燦燦 高岡修詩集

1988年12月、ジャプランから刊行された高岡修(1948~)の第4詩集。私家版として1986年に刊行された第1詩集『晩餐図』を抄録。著者は愛媛県宇和島市生まれ。 目次 毛蟹 蝸牛 鱝 雨のあと 猫町 婚姻図 死鶏 燦燦 目覚め あとがき NDLで検索Amazonで検索日本の…

陽叛児 木村雅美詩集

1981年3月、横浜詩好会から刊行された木村雅美(1944~2012)の第1詩集。著者は茨城県柿岡生まれ、刊行時の職業は印刷所勤務、住所は横浜市金沢区。 何年ぶりかの厳しい寒さである。東北や北陸の雪害はかなりひどいらしい。私の子供達は、屋根まで積もる雪を…

現代作詩講座Ⅲ 名作にまなぶ 壺井繁治・村野四郎・伊藤信吉編

1969年1月、酒井書店から刊行された詩論集。第13版。編集責任者は壺井繁治・村野四郎・伊藤信吉。装幀は木原孝一。 目次 ・名作にまなぶ 明治・大正期の詩 大江満雄 昭和期の詩第1 木原孝一 昭和期の詩第2 伊藤信吉 戦後の詩第1 大岡信 戦後の詩第2 清岡卓行…

紙の空 高岡修詩集

1988年12月、ジャプランから刊行された高岡修(1948~)の第3詩集。著者は愛媛県宇和島市生まれ。 目次 朝顔 指 秋 白い虹 蝶 紙の空 水 四篇 死者たちのための十篇の二行詩 デパートで 溝 ミミズトカゲ 顔についての考察 癌 鳥 尾の夢 縫い目 入院 子どもた…

クリスタル・ゲージング 川田靖子詩集

1983年10月、青土社から刊行された川田靖子(1934~)の第4詩集。装幀は入江観。著者は神戸生まれ、刊行時の職業は玉川大学教授、住所は川崎市麻生区。 宇宙の中にポロリと転がされて、私は何よりもまず「目」でありたいと願った。目前の物ごとをありのまま…

現代作詩講座Ⅱ 詩の作りかた 壺井繁治・村野四郎・伊藤信吉編

1969年1月、酒井書店から刊行された詩論集。第13版。編集責任者は壺井繁治・村野四郎・伊藤信吉。装幀は木原孝一。 目次 ・詩の作りかた 自作解説 「ある序曲」 金子光晴 不断の詩作 深尾須磨子 言葉の科学 草野心平 いろいろの批評をめぐって 北川冬彦 地図…

水の木 高岡修詩集

1987年6月、ジャプランから刊行された高岡修(1948~)の第2詩集。著者は愛媛県宇和島市生まれ。 目次 Ⅰ 水の木 蛾 蝸牛領 子供領 遠近法 動悸 Ⅱ 糸玉 空壜 キリン 性的な夢 卵 舌 Ⅲ 微笑論 蠅 孵卵器 あとがき NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフ…

人間関係 佐藤正子詩集

1994年10月、クレーハウスから刊行された佐藤正子(1945~)の第4詩集。刊行時の著者の住所は横浜市港北区。 目次 イノセント もあ 遠い仕事 観覧車 友情 焦点距離 スマイル高原 息子 娘 星座 三人称 理由 半返し 有限会社 進路変更願い お知らせ 電話 仲良…

谷間の百合 細田傳造詩集

2012年6月、書肆山田から刊行された細田傳造(1943~)の第1詩集。装画は森雅代。第18回中原中也賞受賞作品、第30回現代詩花椿賞候補作品、第63回H氏賞候補作品。著者は東京生まれ、刊行時の住所はさいたま市大宮区。目次 谷間の百合 オニヤンマ 岩根沢 五月…

現代作詩講座Ⅰ 詩作の手がかり  壺井繁治・村野四郎・伊藤信吉編

1969年4月、酒井書店から刊行された詩論集。第14版。編集責任者は壺井繁治・村野四郎・伊藤信吉。装幀は木原孝一。 目次 ・試作の手がかり 観察と体験 壺井繁治 知性と感性 小野十三郎 理想と現実 関根弘 詩の素材 北川冬彦 詩の形態 安藤一郎 ・実作指導 Ⅰ …

風の珊瑚 井本木綿子詩集

1991年8月、私家版として刊行された井本木綿子の詩集。装幀、写真は本庄光郎。刊行時の著者の住所は西宮市。 目次 白日のもとにさらして チャウシエスク 返還 静寂 飢餓 料理人 片だより 牡丹 ある漁港 騾馬 緋の色 朝顔 ある光景 生の一瞬 様(さま)ざま …

形象と変容 詩人は何を見たか 松浦直巳

1975年4月、科学情報社から刊行された松浦直巳(1931~)の詩人論。著者は兵庫県生まれ、刊行時の職業は京都女子大学文学部教授、住所は京都市右京区。 言葉に憑かれ、言葉に疲れて、なおやみがたく私を言葉へと駆り立てるもの、それは私が何よりも生きて今…

かあさん 峰岸了子詩集

2008年2月、水仁舎から刊行された峰岸了子(1944~)の第9詩集。長編詩。装画は峰岸伸輔。 母(義母)が逝って二一年。認知症(当時の老人性痴呆症)を病んでの他界でした。現実には齢を重ねていくのに、過去の想い出の中で暮らす母の頭をよぎる年齢はだんだんと…

左右の川 岡部美民詩集

1993年10月、土曜美術出版販売から刊行された岡部美民の第4詩集。装画は梅崎幸吉。1965年から1992年までに書かれたもの。 目次 転びながらやってくる 一本の木 たとえば雲でさえ・ガラスでさえ 緻密な詩を書かなければならなくなった 石のうえの月光など 淡…

航路 勝承夫詩集

1947年8月、多磨書房から刊行された勝承夫(1902~1981)の第5詩集。著者は東京四谷生まれ。勝が作詩した童謡「小ぎつね」が「三年生の音楽」(文部省発行)に掲載されたのも1947年。 『白い馬』以後の詩のうち六十三篇を拾つてこゝに第五詩集を世に送ること…

生まれる 川越文子詩集

1993年10月、編集工房ノアから刊行された川越文子(1948~)の詩集。装幀は栗津謙太郎。著者は岡山県生まれの児童文学者。刊行時の住所は倉敷市。 高1のとき、高1コースという月刊誌に「きょうの春」という詩を載せてもらった。特選ということで番地まで紹介…