H氏賞受賞・候補
1998年10月、思潮社から刊行された鍋島幹夫の詩集。装幀は吉野史門、装画は合田ノブヨ。第49回H氏賞受賞作品。栞は高橋睦郎「詩の将来のために」。 目次 七月の鏡 あの日 うたと眠り まばたき 皮膚の空 水門 ぼくは あのそら チューリップのはやし なつやす…
1972年6月、不動工房から刊行された平光善久(1924~1999)の第9詩集。第23回H氏賞候補作。 明るいところから暗いところへ入っていくと、瞬間、眼の前が真っ暗になる。やがて眼が闇に馴れてくると、暗闇のなかが見えてくるようになる。真の暗闇のなかに居て…
1972年、光和堂から刊行された城侑(1932~)の第4詩集。イラストは高塚省吾、装幀は初山斗作。第23回H氏賞候補作品。 目次 Ⅰ 兄 みかん箱 口論の末 境界 二人の山師 袋だたきに 所有者 抗議 亡霊 友情 山の中の結論 おまえたちの 手錠 牛車 Ⅱ 短いズボン 大…
1963年8月、海の会から刊行された鈴木漠(1936~)の第2詩集。著者自装。第14回H氏賞候補作。 目次 魚の口 魚たち 誕生 眠らない馬 面 麦 歌 河 壷のなか 光あれ 絵本 嘴 父母伝説 探偵 使者 墜死 雨季 ペルセウス 海 喪の種族 卵について あこがれる 謝肉祭…
1979年7月、詩学社から刊行された一色真理(1946~)の第3詩集。1972年以降の作品集。装幀は十河雅典。第30回H氏賞受賞作品。 目次 ぼく 文字 左ききの男 逆立ちする人 重傷者 原稿用紙 世界 顔 坑夫 妻 インタビュー 心 黒光りする巨大なゴキブリ 傷 筆 遺…
1963年3月、思潮社から刊行された白石かずこの詩集。写真は沢渡朔、レイアウトは園原淳。第14回H氏賞候補作。 目次 Now is the time もうそれ以上おそくやってきてはいけない Wandering for the Sun ニックとミュリエル ハド…
1969年11月、假面社から刊行された知念栄喜(1920~2005)の第1詩集。装画は知念太郎、装幀は栃折久美子。画像は函欠。第20回H氏賞受賞作品。 目次 みやらび抄 優しいたましひは埋葬できない 試される村のかへらない夢 無生のうたを調べる時を 南の村のをん…
1978年12月、紫陽社から刊行された松下育男の第2詩集。装幀は谷川晃一。第29回H氏賞受賞作品。 目次 顔 肴 歯止め 帽子 除草 龍宮 坂 紹介 川 貝 競走 運河 坂の家 綱引 服 初出一覧 NDLで検索する日本の古本屋で検索するヤフオクで検索する
1976年7月、檸檬屋から刊行された郷原宏の第2詩集(画像は第二版第一刷)。第24回H氏賞受賞作品。 この詩集は、「カナンまで」一篇を除き、第一詩集『執行猶予』(一九六六・思潮社刊)のあと、約八年間にわたって『長帽子』『詩学』『詩と批評』に発表した…
2006年9月、思潮社から刊行された野木京子(1957~)の第3詩集。造本は稲川方人(1949~)。第57回H氏賞受賞作。 失ってしまったなにかを呼び戻すために詩を書いているのだと思っていたが、ほんとうは、失うために書いているのではないだろうか。じょうずに…
1977年10月、永井出版企画から刊行された大野新(1928~2010)の第3詩集。H氏賞受賞作品。 目次 母 地霊 聖家族 人質 家の崩潰 とがった椅子 死者にたむける水のいちにち 境 見しらぬ挨拶 子の喩法 after dark 老視 窓 一九七五年前夜 添寝 おくつき 風邪の…
1976年1月、書肆季節社から刊行された相良平八郎の第2詩集。装幀は政田岑生。第27回H氏賞候補作。 「橋刑夢飢」という詩集名は、この詩集Ⅱの作品名を適当に組み合せて、造語したもので、いまの私の心境を端的にあらわした言葉だと思っています。橋刑という刑…
1988年10月、花神社から刊行された藤本直規(1952~)の第3詩集。第39回H氏賞受賞。近年は認知症関係の著作が多い。「自動改札機」は黒瀬勝巳への悼詩。 なんとなく楽天的に生きてきたな、という思いが今更ながらしているが、学問の蓄積ができない凡愚のこれ…
2008年9月、思潮社から刊行された中島悦子の第2詩集。装幀は稲川方人。第59回H氏賞受賞。第7回北陸現代詩人賞受賞。 目次 Ⅰ 乗りあげて コカコーラ・ミトン 小川 石動 バックグラウンド 深海 雹が降る Ⅱ 空腹について 塩と客 更地の蛇口 洪水 眠るジャム 樹…
1982年11月、思潮社から刊行された井坂洋子(1949~)の第2詩集。叢書・女性詩の現在3。装幀と装画は菊地信義。第33回H氏賞受賞作品。 二、三ヵ月の間に書きとめたものがすぐに本になるという夢のような幸運な話が舞いこみ、腕まくりしてみたが、自分の力を…
1997年8月、思潮社から刊行された貞久秀紀(1957~)の第3詩集。装幀は夫馬孝。第48回H氏賞受賞作品。 素粒子ひとつの極小と、果てのない極大とのあいだに、空気を充満させてみる。物の理としてはかなうまいが、心象としてならたやすいだろう。この世にかぎ…
1959年9月、昭森社から刊行された松岡寛(1928~)の詩集。第10回H氏賞候補。 目次 燃える病 収穫の歌 夜はわがもの かすれた音盤 骨は夜つくられ 燃える病 第二の生誕 三つの影 愛 カロンの舟歌 カロンの舟歌 雲のなかの街 しぐれ西行 アトム紀へのみちすが…
1983年4月、現代企画室から刊行された水野るり子(1932~)の第1詩集。第34回H氏賞受賞。 私の中で睡っている一人の子どもが目をあける。その子どもはふしぎに思う。夢の中ではあんなに理路整然と一つの物語をかたりかけてきた存在感のある物たちが、光の中…
1981年9月、紫陽社から刊行された井坂洋子(1949~)の第2詩集。第32回H氏賞候補。 目次 鳶 着用感 式の朝 瓶づめ アパートの水 男の黒い服 追風 撫子 眠る青空 傍らの舟 海底 色の悪い足 閉店 新けものみち 呼び声 巨人 朝の気配 記念の日 トランプ 怒張 思…
1987年11月、思潮社より刊行された岩崎迪子の第3詩集。第38回H氏賞候補。 この詩集は、前詩集『花首』(一九八四年・思潮社刊)につぐ三冊目のものです。 その間、月二回発行の同人誌「森」に参加する機会を得て、今までにない刺激を受けました。 揺れから振…
1977年3月、紫陽社から刊行された松下育男の第1詩集。第28回H氏賞候補作品。 目次 今朝 棚 猫 椅子は立ちあがる ふすま 給料 休日 タンス 日記のように 部屋 敷居 建築物 鮫 ズボン 水を汲む NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索
1977年4月れんが書房新社から刊行された小長谷清実(1936~2017)の第2詩集。第27回H氏賞受賞。ブックデザインは電通・大野健一、イラストは阿部隆夫。 目次 小航海時代 指はイモ虫 舌で詩を スイートロケット 蟻八百匹 船泡声 小人たちの声がする 笑う床 隣…
1980年10月、混沌社から刊行された小松弘愛(1934~)の第三詩集(写真はカバー欠)。挿画は片木太郎、装幀は片岡文雄、写植は大家正志。第30回H氏賞受賞。 「狂泉物語」二〇編に登場する「私」とは何者だろう。「私」の思考や行為が、現実の私と重なってい…
1981年11月、思潮社から発行された青木はるみ(1933~)の第2詩集。第32回H氏賞受賞。小野十三郎に師事していた。 真夏の午後二時頃のメインストリートは、ふっと人影のとだえる暑さでした。一台のタクシーが降って湧いたように私の前方に停まり、ドアが開い…
1968年3月、地球社から発行された犬塚堯(1924.2.16~1999.1.11)の第一詩集。第19回H氏賞受賞。装幀は司修。「地球」「歴程」同人。 南極のゆきかえりに、がり版ワラ半紙「南極新聞」というのが発行されていた。僕は特派員だったので内地の新聞に報道する義…
2000年の第50回H氏賞を受賞した龍秀美の詩集。発行は詩学社。 待望の第二詩集しかも前著「花象譚」の神秘主義的抒情の世界を越え、台湾――ひいては中国、東洋のなかにおのれのルーツを探ろうとする力強いエネルギーが秘められている異色の詩集である。著者は…
荒川洋治の紫陽社から1975年に発行された清水哲男の第三詩集。第25回H氏賞受賞。 『喝采』(一九六四年・文童社)『水の上衣』(一九七〇年・赤ポスト)につづいて、三冊目の詩集ということになる。 京都での学生時代に書いた十年以上前の古い作品も三篇ある…