1984年未来社発行。詩人・黒田喜夫の詩と評論の展開を追いつつ戦後史・戦後思想におけるその思想の意味を分析。
原稿をひととおり書きあげて、未来社編集部の西谷能英さんに手わたして二十日あまり、突然、黒田喜夫の訃報に接した。知らせてくれたのは、黒田喜夫とのつきあいのながい友人石毛拓郎で、とるものもとりあえず清瀬の黒田家をおとずれると、詩人は、多くの原稿を書きもしたであろうベッドに、無言の痩身を横たえていた。三千代夫人に、「せっかく書いていただいていたのに間にあわなくて」といわれて、無念さがつのった。(あとがきより)
目次
- 第一章 みえない村
- 第二章 飢餓と革命
- 第三章 根拠の喪失――一九六〇年代
- 第四章 狂気の現象学
- 第五章 病と死
- 第六章 書くとは、どういう行為か
- あとがき