1979年、アディン書房から発行された清水哲男の第9詩集。
時間がない。自分を自分らしく時間が。
だから、詩を書いたりするのか。自分を自分らしく生きるとは、制度のなかでせいいっぱい、狂気の側に身を寄せることなのではあるまいか。最近は、そんな思いにとらわれている。
言葉は制度だ。制度だからこそ、逆に狂気へとすべりこめる有力なキイとなるのだと思う。これはなかなかにしんどい仕事だが、和ツィには、他に方法がない。身の非才は棚上げにしていうのだが、言葉しかあやつれないものは、言葉によって生き、言葉によって殺されるしかないのであろう。(「あとがき」より)