1965年9月、土橋治重の風社から刊行された寺門仁(1926~1997)の第2詩集。第5回室生犀星詩人賞受賞。
第一詩集から九年経った。その初めの六年間は根無草だったので、首を左右に伸ばして苦しむばかりで自滅に向っていた。
そのとき、土橋治重氏が「風」に誘ってくださった。そこで私は救いの手に触れた。
氏の手は本当に暖かくてしかも強い手出逢った。さすが愚鈍な心臓も奮い立った。こうして三年間力を出しきって詩を書くことが出来た。 それがこの「遊女」だ。
だから、この詩集に満足を覚える。そして詩集がまとまったのもひとえに土橋治重氏のおかげであった。(「あとがき」より)
目次
- 浦浪遊女
- 蟹遊女
- 遊女忌
- 濡れ遊女
- 吉祥天遊女
- 宿場遊女
- 恋し遊女
- 遊女
- 続遊女
- 遊女僧
- 流れ遊女
- 導き遊女
解説(寺門仁について)土橋治重