1974年9月、サンリオ出版から刊行された滝口雅子(1918~2002)の第5詩集。現代女性詩人叢書13。装幀は栃折久美子(1928~)、解説は大岡信(1931~2017)。
『白い夜』は私の五冊目の詩集です。
第四詩集以後今日までの作品のなかから選びました。
この時期は私は余り詩を書きませんでした。この時期、多くのことに疑問を持ち、それらは作品的に処理することが出来ませんでした。
『白い夜』ができ上ったいま、自分がこの詩集の外に立っていると感じます。この詩集全体のりんかく、私自身のりんかく、がいくらか見えてきている気持。これからの自分が詩の核にしていくものについてわかえりかけている気持。この感じは私には幸せなことです。(「あとがき」より)
目次
- 明日の空
- 半島は茄子のかたちに
- オリーブ畑
- 北極上空で
- 旅の感情
- 眩しさに
- 母
- サラリーマン
- ついていく
- 蝶
- おんな
- 黒潮
- ことばについて
- 聖告
- やさしさについて
- 変身
- 北国の海
- この道は
- 子供のスケッチ
- 軽薄な手が
- 竹
- 女の祭り
- 小鳥
- 雪の北山杉
- 陽はどこかに
- 墓地幻想
- 公園で
- アダム
- 抱く
滝口雅子の詩=大岡信
あとがき