1991年5月、思潮社から刊行された北爪満喜(1958~)の第2詩集。装幀は芦澤泰偉、栞解説は吉田文憲。
常に辿りつけな、至り尽くせない。そういう思いを胸にかかえていることがある。たとえば捜そうとしてもどうしても捜しだせない街のように。たしかにそこで寝起きし、言葉をかわし、そそぐ陽射しを身に受けていたと記憶する場所と、自分が、何らかの事故で裂断してしまったような、ひとつながりではない場所が、どこかにありつづける思いがする。(「あとがき」より)
目次
1.キリエ
- 単独なメロ
- キリエ
- 鏡だけはしらんぷりした
- 秋のプール
- しなやかに街は呼吸して
- なわとび
2.幻鏡
- ガラスの野〈Ⅰ〉
- ガラスの野〈Ⅱ〉
- 紺色の枠
- スピリット
- 天狼星(シリウス)の時
- 幻鏡
- CACTUS
3.スクリューのようにねじれ換気している肖像
- 白色光
- オパレッサン光る
- スクリューのようにねじれ換気している肖像
あとがき