1957年2月、宝文館から刊行された川崎長太郎(1901~1985)の短編小説集。装幀は宮島美明(1913~1985)。
下手な鉄砲でも、数打ちや当たるというが、多くの作品の中から選んでみた「小説徳田秋声」外九篇が、果して作者の註文通り、見事まとを射ているかどうか――。
それはそれとし「帰国」を除くと、相手変れど主変らずで、作者の分身である人物がどこにも登場しており、相手方の女性は作品ごとに一人一人違っているのである。が、私がそれぞれ大なり小なり親しくした人達であり、彼女等の面影をしのぶよすがとみればみられなくもない記念品であった。(「まえがき」より)
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まえがき