1978年8月、民芸館から刊行された八木忠栄のエッセイ集。
ここに収めたうち、いちばん古いものは「武蔵野で、少女たち」である。劇団状況劇場の公演「少女仮面」を吉祥寺の青空駐車場で見たときのことを題材に書いた。当時ぼくが住んでいた武蔵野と状況劇場の出会いは、理屈ぬきでぼくを興奮させてくれた。そこには新鮮な風が生まれ、まきあがっていた。吉祥寺の街が、今のような変貌を開始する直前のことである。(「あとがき」より)
目次
- バスなら、関東バス
- ガニ股について
- 街路という田舎道
- 武蔵野で、少女たち
- 新宿を倉庫に
- しぐるるや 迷路
- 日々片々
- 歌は野にひびけ!
- 泥に浮いた水族館
- 六区の風
- 泳ぐ馬
- 鶏を煮る
- 酔うて雪地蔵
あとがき