1982年7月、大和書房から刊行された北村太郎(1922~1992)の詩論集。装画は田中靖夫。装幀は菊地信義(1943~)。
詩の詩 若い読者に
まず第一にたいせつなのは
背すじをすっきり伸ばすこと
そうしなきゃ見えてこない
詩の
目つぎに忘れてならないのは
底なしの憂愁、輝く快活
それがなくては見えやしないよ
詩の
鼻三番目、これこそ必須
あらゆる音楽をうたがうこと
でなきゃぜったい見えません
詩の
耳四番目、これが決め手か
つねに新鮮な罵詈雑言をくふうしたまえ
それでこそ初めて見えてくる
詩の
口最後にひとこと
以上すべての条件をみたしても
なんにも見えないことがあると思え
詩の
うすら笑いのほかには
目次
- 1 現代詩とは何か
- 2 若い荒地の詩
- 3 若い現代の詩
- 4 詩の作り方のヒント
あとがき
作者別作品索引