異界の祝祭劇 現代文学の21人 小笠原賢二

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 1986年11月、沖積舎から刊行された小笠原賢二(1946~)の第2著作集。

 

 私は、週刊読書人編集部に勤めながら、記者として多くの文学者たちへの探訪記を書き続けてきた。そのうちの相当量は、四年前に刊行した『黒衣の文学誌』に収めたが、本書はその後、引き続き同紙に断続連載してきたシリーズ「現代文学の〈創作工房〉」十八回分を柱にまとめたものである。私の二冊目の著作になる。
 本書に登場しているのは二十一人だ。いずれも、作品の徹底性において共感できる文学者ばかりである。さまざまにレベルが異なりはしても、生き方やその作品空間の形成において、彼らはすべて「越境者」もしくは「異界」の住人とでもいうべき存在である。その点に、とりわけ私は魅かれたのである。むろん、文学は多かれ少なかれ既成の枠を破り出るのであり、そこに「異界」が現出するのも当然のことだろう。が、彼らにおいてのその度合いはかなり顕著であり、また異色だと私には見えたのである。
(「あとがき」より)


目次

I 作家たちの〈工房〉

Ⅱ 詩人たちの〈工房〉

Ⅲ 歌人俳人たちの〈工房〉

Ⅳ 文学の現在を語る

  • 小川国夫 「中世的世界観」への溯行
  • 日野啓三 「廃墟」からの帰還者
  • 後藤明生 「二色刷り」の時間と空間

清岡卓行
あとがき


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