2010年5月、岩波書店から刊行された佐々木幹郎のエッセイ集。カバー写真はネパール・ローマンタンの寺院の扉(13世紀)。写真は著者。
目次
Ⅰ
- 祝う詞について
- 雪の夜に、うち離して 山形県鶴岡市「黒川能・王祇祭」
- ある日、一日、狐になって 新潟県阿賀町「狐の嫁入り行列」
- 飛沫論
- 女性がしきる赤岡、絵金の町 高知県赤岡町「絵金祭りと絵金歌舞伎」
- 伝統と創作と情熱と活力と 沖縄県「琉球國祭り太鼓」
- 旅に溺れる
- 町の人みんなが芸術家 富山県福岡町「つくりもん祭」
- 雪球を当てる楽しみ、当てられる悔しさ 北海道壮瞥町「昭和新山国際雪合戦」
- ツリーハウスという迷路
- 葛城の神々の幻――「葛城みち」を歩く
- 黄から縁までの変化――わたしと薩摩焼
Ⅱ
- 東シナ海カステラ異聞
- 破れかぶれと憂愁と――竹久夢二「青山河」
- 観音菩薩偏愛
- 大嵐の日、カトマンズで――山本真弓『牡牛と信号――〈物語〉としてのネパール』について
- 生者と死者をめぐる対話――墓を作る文化と無墓文化と
- 地の果ての都ローマンタンの手触り
- 死が降りてくるとき――チベットの『死者の書』をめぐって
- 風の国、砂の国、川の国
- わたしの好きな世界の美術館
- 上海上孫悟空
- 震災という文化――いかにやわらかく、壊れるか
- 不滅あるいは囲むということ――「モンゴルの草原で
- 詩の国への旅
Ⅲ
- うどんの作り方から学ぶ文章の「引き算」
- 17ccの血
- この世の夢
- お寺にもっとも近い人々
- オトンとオヤジと
- 夕まけて耳にどよめく
一本の桜の木 あとがきにかえて