地名論 森川慶一詩集

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 2009年2月、編集工房ノアから刊行された森川慶一の第1詩集。

 

 一月十日 藍色に晴れ
 ヴェルレーヌの埋葬費用
 九百フラン    邦雄

 

 一昨年の6月に 平均余命5年といわれる下咽頭ガンの告知を受けました。ステージはⅣでした。それから半年の闘病生活を経て、去年の7月に肺に転移。2ヵ月間の化学療法を 終えて退院しました。手術は成功し声帯は摘出しました。その折り大学時代の知己、稲垣雅彦氏と24年ぶりの再会を機縁とし出来あがったのがⅢ群の未発表3作品です。一行全角8文字という携帯メールのスタイルです。わたしにとって唯一といってもいいコミュニ ケーションの方法でした。Ⅱ群の9作品は49年4月から52年2月までのものでおもに詩誌「ゑひもせす」に掲載されたものです。また、I群の6作品は宮内憲夫氏が主宰した「藪の中」で52年4月から60年8月までに発表されたものです。ここに収めた作品群は、地名のもつ固有性の呪縛にとらわれ、それらの呪文と格闘を繰り返してきた証左を晒しているのかもしれません 。死をちかしいもののように思えて、せめて一冊の詩集をかたみにと編集工房ノアの涸沢純平氏の御好意のもと刊行となったものであります。(「あとがき」より)

 

目次

  • 〈三輪川〉
  • 〈京〉
  • 〈明日香〉
  • 名神ハイウェイ〉
  • 〈豊津〉
  • 〈ロン・パリ〉
  • 〈岩倉〉
  • 〈北野〉
  • 〈甲子園〉

〈あとがき>

 

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