2004年5月、詩学社から刊行された大橋政人の詩集。
少し早めに退職して丸五年が過ぎた。この間、家人のいない平日の昼間は完全に一人で過ごしてきた。まるで家の中にいながら山中に隠棲しているような生活だ。老犬と老猫(小柄なので子猫に見える)が 一匹ずついて厳密に言うと一人ではないが、とにかく人間の言葉をほとんど喋らない暮らしを約二千日も続けてきたことになる。あまりにいろいろなことがあり過ぎた人生の末に、こんな静かな時間が待っていようとは夢にも考えなかったことだ。こんな暮らしの中から生まれた作品を集めて一冊にまとめてみたが、家の中ばかりにいた私の言葉がちゃんと外に出て行けるかどうか、ちょっぴり心配のところもある。
(「あとがき」より)
目次
- アースライズ
- あぶない、あぶない
- 59歳
- 上書き
- 年表
- 空間
- 風が通り過ぎて
- 挨拶
- 加え算
- マトリョーシカ
- 揺れる
- リンゴについて
- K氏の性教育
- 朝の人たち
- 歩ける
- その足で
- 家とカラダ
- およそ二千の日と夜
- 食べる
- 少し元気が出てきた
- 死亡率一〇〇% で
- 散歩について
- 相老駅のプラットホームで
- 柿
- 銀杏
- 秋の授業
あとがき
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