1964年9月、思潮社から刊行された小松郁子の第2詩集。題字は草野心平。
わたしの中のわたしを書くために わたしとかけばわたしではなくなる。そういうもどかしさから わたしが奇想天外な なつかしい命名をおこなったのがラウラである。ラウラはわたしよりももっとわたしであり やさしい女ひとたちの中にもどこかにいるはずのわたしであるというような思い上った思いのなまえである。いわばわたしは 心やさしいうぬぼれやのペテン師のひとりになりたかったのでもある。
(「あとがき」より)
目次
- 恋のうた
- みどりいろののろまな鳥
- 今日と明日
- 白いお城
- 疲れた顔
- 嘘
- またしても
- 飾る
- 笑いたい
- 鴉が鳴いている
- 雨
- 卷貝
- 雪
- 電話Ⅰ
- 甘い恋
- 泥棒
- 月見草の花
- 迷い子
- 床板
- 土塀
- パーティ
- 鳩
- 勲章
- 電話Ⅱ
あとがき