阪神大震災が起こり、五千五百余名が亡くなった。東京の地下鉄サリン事件では十二名が死に五千人をうわまわる中毒患者が出た。
なにか、日本列島が不吉である。
その中で詩を書くひとりとして、不安なのである。
この生と死の不安を、どのように表現したらいいのか、未来に向かって書くということはどういうことなのか、ふり返って見ながら自分の文章を読み返している。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ
- 日記・病院にて
- 酩酊日記
Ⅱ
- 死の断章
- 地獄の一丁目 金子光晴について
- 不実の美女 「世間」と自分とのかかわり
- 無限の前で腕をふる 荒川洋治氏へ
- 天皇陛下の銀時計 岡井隆氏への感想
- もっと悪意を
- 歌会始を読む
- 福島泰樹様
- 唖然とする
- ナルシスの伝説
- 歳月が流れ落ちてゆく
- もっと悪意を
- ポルノとファシズム
- 雪女とセクシャリティ
- 角川春樹の大失策
- 日本語の不気味さ
- 永続革命
- 孤独のしぶとさ
- 人間の風景
- まっ白な蝶
- 歌と写真
- 岡井隆について
- 受賞作
- もっとユーモア
- 主題なき主題
- 傑作小説
- ボクサーの歌
- 日常の極限、極限の日常 「シンドラーのリスト」を観る
- 警句の落書 寺山修司の人生劇場
- 新人の条件 天野忠の死について
- 現代詩の数字
- 大地の商人 谷川雁のこと
Ⅲ
- その日まで
- 詩人とは
- 死について
- 恋文
- 銭湯
- 家族
- 石原吉郎のこと
- その日まで
- 第三の男
- 酒田
- 国家
- 双子
- 顔
- 竹の水仙
- 以倉紘平
- 運命
- 受験生
- 選挙
- 学歴
- エロス
- 象
- 歯
- 埴谷雄高
- 竹の水仙
- 教授
- 密告
- 加藤温子
- 格
- 余白句会
- 佃学の死
- 天皇賞
- ケルアック
- ザ・ゲイ!
- 詩と飢えと
- 嵐山の夏
あとがき