1990年4月、ミッドナイト・プレスから刊行された山本かずこの第7詩集。
美しく、官能的な曲の多いブライアン・フェリーは、彼のアルバム『ボーイズ・アンド・ガールズ』をどのように受けとめられたいのか、という問いに対して「望むらくは僕が美しくて魅惑的な音楽を売っていること。そして常にこの世にはそういう音楽の売れる余地もあることを祈りたいね」と答えているのだそうです。
私は、ときどきその言葉を思い出すことがあります。ほんとうに、望むらくは、ではあるけれど、私もそういう詩が書けて、そういう世界を愛する人と、束の間でいいから交歓し合いたい、と。『愛人』は、これまでのどの詩集よりもその気持ちが強い詩集になったように思います。
(「あとがき」より)
目次
- あなたと遊ぶとき
- もう一度 幸せになれるでしょうか
- 花の咲かない春の話
- グッドバイ
- わたしは感じる
- 海辺の町をゆっくり歩く
- わたしが子供だった頃
- あなたがきらいです
- スケジュール
- 道
- 少年
- あいじん
あとがき