1972年12月、思潮社から刊行された北村太郎の第2詩集。ブック・デザインは高田修地。
一九六六年十一月に『北村太郎詩集』を出したあと、一九七二年五月までに書いた二十二篇のなかから十五篇を選んで、この第二詩集を編集しました。怠けもののわたくしとしては、比較的たくさんの詩を、この期間に作ったと思います。でも、かろうじて詩集に入れられた、というのが幾篇かあって、恥ずかしいしだいです。
2の終りの三篇「寂として」「暁ふかく」「春影百韻」は、歌仙、百韻のもじりで、もう、二度とふたたび、こういう形式の詩を作ろうとは思いません。ある意味で、こりごりもしましたし、楽しくもありました。
3の「冬の当直」は、割合に愛着を持っている作品です。成功しているとは思いませんが、ずいぶん意気ごんで書きました。できればもう一度、ちょっと違った形で挑んでみたい気がします。
この詩集に入れるに際して、多少、手を入れた作品があります。おことわりしておきます。
(「あとがき」より)
目次
1
- 怒りの構造
- ながい夜
- K
- ゲバルト
- 問題は何ひとつ…
2
- わたしの町
- 冬の海
- 牛とき職人の夜の歌
- 寂として
- 暁ふかく
- 春影百韻
3