1975年12月、サンリオから刊行された吉原幸子の第5詩集。装画・装幀は司修。
ここ十年ほどの間に新聞や雑誌の求めに応じて書いたものを中心にして、この集を編んだ。
眉をひそめ、髪の毛をかきむしって「オンディーヌ」「昼顔」「夢あるひは……」などに収めた重くるしい作品を書きながら、一方で私は、やはりこのような”世界へのラブソング”を歌いたがっていたのだ。もしかすると、二重人格なのかもしれない。自分が子供だったことをまだよく覚えている若い人たちに読んでいただきたいと思うので、私(の詩集)としては初めて、新仮名づかいを使用した。
(「NOTE」より)
目次
春
- 春
- 夜明け
- 急がないで
- 桃
- もぐらの春
- 風の弦
- しろい春
- 交替
- 回転木馬
- あの子
- 小さな愛が……
- 明日
- 日曜日
夏
- 空の魚
- 五月
- 母に
- 繭
- 霧
- 魚
- 浜木綿
- ユメカサゴ
- 漂う
- 夏の一日
- 虫
- 尋ね人
秋
- 宴のあと
- 中腹
- 影 四題
- 死ぬ母
- 傘
- 落葉
- 旅びと
- 祈り
- 恥
- 唖
- 11月の音
冬
- はかなさなどと……
- 月日
- まぶしい朝
- 回帰
- 捨てる
- 帰途
- あんなに
- サーカス
- 白い月 白い杖
- 声
- 猫
- 白い記憶
- 少女は……
NOTE