討議『銀河鉄道の夜』とはなにか 入沢康夫 天沢退二郎

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 1976年6月、青土社から刊行された入沢康夫天沢退二郎による宮沢賢治銀河鉄道の夜」に関する討議録。表紙、扉カットは宮沢賢治

 

 本書は、宮沢賢治作『銀河鉄道の夜』に関して私たち二人が一九七〇年と一九七三年の二度にわたって行なった討議の記録(詩誌「ユリイカ」二巻八号および五巻九号掲載)を主たる 内容とし、関連する若干のレポートを付したものである。いずれも本書収録に際して一部の字句を訂正し、引用などを増補した。
 また、これらの討議の際にテキストとして使用した筑摩昭和9年版全集第十巻所収『銀河鉄道の夜』本文および後記を、宮沢家および筑摩書房の御好意を得て、巻末に資料とし て縮小復刻した。
(「まえがき/入沢康夫 天沢退二郎」より)

 

目次

  • 討議I『銀河鉄道の夜』とは何か 
  • 序・なぜ『銀河鉄道の夜』を問題にするか―『銀河鉄道の夜』の二つの極点―双頭双尾の作品 
  • 第一部・夢にはいるまで―『銀河鉄道の夜』とウル『銀河鉄道の夜』―削除と付け加えのもたらしたもの―母親とタブー、模型と標本―牛乳屋の門と十字路のできごと―街の地図はどうなるか―汽車にとってりんごとは何か―「(この間原稿五枚分なし)」とその後の六行
  • 第二部・夢―旅への入り方―セロの声―夢の中の時間―銀河を渡る鳥―ジョバンニの切符―りんごの匂い―作品のはじまりのイメージ―帰れない傾斜―ほんたうのほんたうの神様―そらの孔
  • 第三部・夢から醒めて―<書くこと>の意味と<本の本>―セロの声の正体とブルカニロ博士―再構築される『銀河鉄道の夜』―二つの『銀河鉄道の夜』とその彼方
  • 結び・旅を終えて

討議資料

  • なぜ<カムパネルラの死に遭ふ>か 銀河鉄道の彼方・序説 天沢退二郎
  • 銀河鉄道の夜』研究のための二つの資料集 入沢康夫
  • 第一部・「本の本」のテーマに関するテクストおよび資料
  • 第二部・作品の成立や作品の構造に関する検討の資料としての表および図表

付録資料
筑摩昭和9年版全集所収『銀河鉄道の夜』(本文と後記)


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