徳山璉随筆集 徳山璉

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 1952年8月、輝文館から刊行された徳山璉(1903~1942)の随筆集。装幀は小出卓二。

 

 徳山璉君を知ったのは、音楽歌手としてよりも、石黒敬七高田保君らのやつてゐた風流倶楽部のユーモリストとしての方が、盛ろ多い位で、同君が戦時下に於ける明朗な存在であることも、充分認められるが、同君が一人のユーモアに富む文化人として、総ての場合に大きな役割を勤めてゐたことも否めない。同君が某隊で若い兵隊を相手に、軍歌の指導をしてゐるのを聞いたことがあつたが、その機智縦横の才能は、若し同君が今生きてゐたならば、音楽好きの南方占領地の宣撫文化工作に、どれほど役立つたか、同君が四十歳の若さで逝つたことを、心から惜しむものである。
 昭和十七年四月
(「序/菊池寛」より)


目次

序 菊池寛

  • 記念の時計 
  • 滿洲だより 
  • 北支行 
  • 樂壇變人奇人傳 
  • 流行歌手出世道 
  • 三六五〇日の足跡 
  • オペラ歌手列傳 
  • 署名の好きな人々 
  • 森蔭の施律 
  • 眞白き富士の根 
  • 僕の居候時代 
  • 結婚寫眞 
  • 映畫スター交遊録 
  • 崔承喜さまへ 
  • はま子の先生 
  • 啄木の歌 
  • 性格歌手チエンキン 
  • レビウ言 
  • 夏日閑談 
  • 吉本君の批評に對して 
  • 秋の感傷 
  • 烏を飼ふ 
  • 犬 
  • 動物園 
  • 船出は眠し 
  • 故郷の新聞 
  • のんびり演奏會 
  • 夏の葬式 
  • 圓タクの話 
  • 百鬼園先生と初對面 
  • 僕の憂鬱 
  • 行水と夕立 
  • 泣くな漫才 
  • 良人の體操 
  • 隣組五人男


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