2003年12月、編集工房ノアから刊行された以倉紘平の詩文集。カバー装画は谷なつ子、装幀は森本良成。
昭和四十年四月から平成十年三月まで、私は大阪の釜が崎に隣接する大阪府立今宮工業高校(定時制)に国語の教師として在職し、三十三年間いわゆる夜学生と係わって人生の大半を過ごしました。そこで経験したことは、凡百の架空のドラマよりも意義深く、私の人生に多大の影響を与えました。私にとってこれほど有意義な人生の旅はありませんでしたが、しかし肝心の夜学生の真実について、どこまで正確に捕捉できたかと言うと、まことに心もとない限りです。この点は彼等の広い度量に甘えるほかありません。いつかもう一度書いてみたいテーマと思っています。
(「あとがき」より)
目次
I 「夜学生」詩篇ほか
- 冬の靴
- 最後の夜学生
- 夜学生(二)
- 夜学生(一)
- 虹
- 過ぎゆく日
- 夜学生を見つめて
- <切れる>という流行語
- 子供の感情生活
- 人生の道場
- タイの少年
- 四年間の皆勤
- ヘルパーさん
- 子供の時間
- 時代風潮
- 闇と光
Ⅱ 夜学生
- 夜学生 1~19
あとがき