1953年12月、創元社から刊行された谷川俊太郎(1931~2024)の第2詩集。
目次
Ⅰ
- 1 木蔭
- 2 憬れ
- 3 帰郷
- 4 今日
- 5 偶然
- 6 朝1
- 7 朝2
- 8 笑い
- 9 困却
- 10 知られぬ者
- 11 沈黙
- 12 廃墟
- 13 今
- 14 野にて
- 15 鋳型
- 16 朝3
- 17 始まり
- 18 鏡
- 19 ひろがり
- 20 心について
- 21 歌
- 22 姿について
- 23 雲
- 24 夢
Ⅱ
- 25 世界の中で私が身動きする
- 26 ひとが私に向かって歩いてくる
- 27 地球は火の子供で身重だ
- 28 眠ろうとすると
- 29 私は思い出をひき写している
- 30 私は言葉を休ませない
- 31 世界の中の用意された椅子に座ると
- 32 時折時間がたゆたひの演技をする
- 33 私は近づこうとした
- 34 風のおかげで樹も動く喜びを知っている
- 35 街から帰つてくると
- 36 私があまりに光をみつめたので
- 37 私は私の中へ帰つてゆく
- 38 私が生きたら
- 39 雲はあふれて自分を捨てる
- 40 遠さのたどり着く所を空想していると
- 41 空の青さをみつめていると
- 42 空を陽にすかしていると
- 43 あふれた空の光を
- 44 私は闘士であつたから
- 45 風が強いと
- 46 若い陽がひととき
- 47 時が曇つた夜空に滲みてゆく
- 48 私たちはしばしば生の影が
Ⅲ
- 49 誰が知ろう愛の中の私の死を
- 50 存在のもつ静寂は時に
- 51 親しい風景たちの中でさえ
- 52 私がこの野を歩いている時
- 53 影もない曇つた昼に
- 54 私と同じ生まれのものたちから
- 55 無為のうちに
- 56 世界は不在の中のひとつの小さな星ではないか
- 57 私が歌うと
- 58 遠さの故に
- 59 言い古された言葉を云うだけで
- 60 さながら風が木の葉をそよがすように
- 61 心は世界にそつと触れる
- 62 世界が私を愛してくれるので