1991年9月、街の草から刊行された仁木利和の作品集。
一九八五年一月に仁木利和が急逝してから、この秋でまる六年が過ぎる。
「雅歌」は仁木利和にとってはじめての、そして唯一の作品集になった。ここに収められたのは、一九六五年以後、おそらく一九七一年頃までに書かれた、彼のことばによる表現の仕事の、ほぼすべてである。その主な部分は兵庫県立鳴尾高校在学中に書かれており、発表誌・紙も文芸部の作品集とその周に限られている。あるいはこれ以後に書かれたもので、重要な脱落があるのかも知れないが、私の知る限り、「雅歌」第一章のあと、彼は書くという行為から次第に遠ざかっていった。
(「雅歌・ノート/加納成治」より)
目次
習作詩篇
- 夕べの雪
- 月
- 秋霖
- オリオン
- 春
- 春
- 満月
- 月
- 春
- 日ようびのひるさがり
- ひばり
- 夕暮れは
- 初夏の夜は
- ぶらんこ
- 海
- ある町
- 昼下り
- たそがれ
- 崩れた夕暮
- プリズム
- 鉄橋
- 昼下り
- 午後
- 月
- けいとう
- 黄色の聖書
- (午後二時七分の)
- 藍
- 夏
- 春
- E
- 春
- 臥待月
- 繃帯
- 妃テオドラの写真のある白い表紙のカレンダアのめくり忘れたページの為の詩など
- 六月
- 七月
- 八月
- 九月
- 十月
- 十一月
- ひばり
- 午後
- 麦畑
- げた
- 満月
- DecalcomanieVarlation<天使><尿>
- しまうま
- 日曜日
- 両手
- 道路
- 青い服
- 炉
- 絵師
- 海
- 南回帰線
- エンタシス
- 地図帳
- 八月
- 英雄
- 長崎薔薇処女伝
小説
- (宗一)
- もず
- 秋
- 歌
- 雅歌
俳句・雑簡
- 俳句
- 卒業雑感
- はじめに――「崩れた夕暮」・序
- 「黄色の聖書」・序
- (天使)断片
- 遠山夜話
- 表紙の作者の言葉
- 山村暮鳥
- 私の一頁――「個人的な体験」
- 文芸部日誌の余白に記されたメモ
雅歌・ノート