遺愛集 島秋人

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 1967年12月、東京美術から刊行された島秋人(1934~1967)の遺稿歌文集。

 

私の怒りと悲しみはつきない

「わが死にてつぐない得るや被害者のみたまに詫びぬ確定の日に」
このような美しい心境に達した人間を何ゆえに国家は法の名の下に殺しうるのか。私は長い間、死刑への疑問を抱きつづけて来たが、死刑囚歌人島秋人氏の歌に触れたことは、私に死刑制度反対の確信をいよいよ強くさせてくれた。その島秋人氏は、私が死刑廃止を訴える映画「絞死刑」の脚本を書き上げた日に人知れず処刑されてしまった。今私は尽きることのない怒りと悲しみの中で、この歌集が一人でも多くの人に読まれることを祈るのみである。
(「帯文より/大島渚」) 

 

目次

序・窪田空穂

  • 昭和三十五年 初めて小説新潮に投稿し佳作となり活字になった。
  • 昭和三十六年 この年より毎日新聞に投稿する。
  • 昭和三十七年 この年「タイム」に紹介される。六月死刑確定す。十二月四日受洗。
  • 昭和三十八年 「毎日歌壇賞」受賞。父が面会に来る。文鳥一羽を飼うことを許される。
  • 昭和三十九年 父に新しく家があたえられる。わが送りし賞金二万円が、その基金と聞く。
  • 昭和四十年 信仰の姉に、角膜・遺体献納の為に必要と養母になってもらい、母を得る。
  • 昭和四十一年 自愛心を得て、幸福感深む。
  • 昭和四十二年 師父、窪田空穂先生の御死去。病床の和子を知り愛を結ぶ。

あとがき
島秋人さんの想い出・前坂和子
後記・窪田章一郎


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