1989年7月、あざみ書房から刊行された園原潤の第1詩集。
△詩とは何か。僕にとって詩とはポエジィのシンバルによって、奏でられた音のぬけがらである。
それは僕の中を通過していった彗星の尻尾であり、ジャンプ力である。
△ポエジィとは何か。
ポエジィとは誰にも気づかれずに何かに恋することである。しかし詩はその恋心の告白でも溜息でもない。
△永遠に遠い距離にあるいくつかのものを結び付けようとする。あるいは、より引きはなそうとする空間。それが詩である。
△僕は詩で冒険する。それは詩の冒険であって冒険の詩ではない。
言葉が飛びはねたり、ぶつかったり、とぎれたりすることによって起る軋みや、スパークの香りが僕の詩である。今まで僕は自分の中のポエジィの噴出を、絵や音楽で表現してきたが、何人かの新しい人々との出会いによって、そのポエジィの噴出を言葉で表現してみることにした。
それをここに僕の第一番目の詩集としてまとめたのである。
(「山羊のひげの形をした後書」より)
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後書