2005年11月、書肆山田から刊行された清水哲男の詩集。装幀は小松桂士朗。
『夕陽に赤い帆』『緑の小函』につづいての本書は『黄燐と投げ縄』。すなわち「赤」と「緑」と「黄」。ひそかに交通信号三部作と呼んできたシリーズの完結です。
この間に、およそ四千の日と夜とが流れてゆきました。もはや、老いを自覚しない日はありません。
そうした時間のなかで、情を抒べることなど、若き日には想像もつかないことでした。その意味で、本書は私にとっても、何か珍しい生きものでも見るような、そんな存在のように思われます。
(「あとがき」より)
目次
- 小さな舟の歌
- しんぶんがみ
- 壁と翳
- 落日
- ひとりぐらし
- 街頭小景
- 人間の仕事
- てのひらほどのうた
- 花咲き花散る唄
- 二〇〇四年五月六日未明
- 報告
- べらまっちゃ
- 携帯
- ウィンドウズ
- さよなら
- 戦後抒情
あとがき