1978年11月、河出書房新社から刊行された岡田隆彦の第8詩集。叢書・同時代の詩9。
七七年、初春から半年近くをアメリカですごした。そこで、行くまえから計画していたように、日常的な感覚に従うまま、ことばを書くことにした。といって、異邦でのわたしの時間はそのままで非日常的だったが、とにかく語彙を慎重に選んだり、推敲したりしないで、ごく散文的に書きたかった。間をおくと嫌気がさすので、書いてすぐ航空便で送って雑誌に載せてもらった。ほとんどが『現代詩手帖』に載った。
読みかえしてみると、いつもより以上に惨憺たるものがあるが、どうにも書き直しができないようなことも伝わってくる。
(「おぼえがき」より)
目次
- 紅い花の見える無限レストラン
- 落着かぬ望郷歌
- 根付きたい若いアメリカ
- サン・ディエーゴヘフリーウェイで
- ベイ・ブリッジを渡って
- ラ・シエネガ大通り
- 風と、室内/室外
- 紐育のオムレツ
- 675MadisonAvenue,April10,77
- Sodemocraticsexuality
- コンコードを訪ねる
- 大自然の少し奥を訪ねて
- 異邦人のジュライ・フォース
- 華氏百度
- リキッドが記憶する灼熱日
- ソーホーでは何もしないで
- 巨大な林檎は熟して焼ける
おぼえがき