2002年1月、群像社から刊行された中平耀によるマンデリシュターム解説書。第4回小野十三郎賞特別賞受賞作品。
目次
序章「ぼくの生まれは九十と一年、一月の……」
第一章ペテルブルグの歌
第二章「ぼくはラシーヌの祝祭に遅れてきた!」
- 1<アクメイズム〉とは
- 2「アクメイズムの朝」―中世幻視
- 3<ローマ〉への親近、ヘレニズムへの遡行
- ■宣言「アクメイズムの朝」オシップ・マンデリシュターム
第三章ウグリチの皇子
- 1主題と変奏――詩集『TRISTIA』
- 2神話世界の投影――「透明なペトロポリスでぼくらは死ぬだろう……」
- 3自由の薄明
- 4ウグリチ皇子
第四章「ぼくの世紀、ぼくのけものよ……」
- 1放浪――クリミア、コーカサス
- 2二十年代――「盗まれてしまった夢」
- 3「世紀」――時代への愛惜
- 4翻訳剽窃事件――アルメニアへの旅
- ■小説「エジプト・マーク」オシップ・マンデリシュターム
第五章狼狩りの猟犬の世紀
- 1深まる疎外――「ぼくは帰ってきた、ほくの町……」
- 2アレクセイ・トルストイ平手打ち事件
- 3《スターリン・エピグラム〉
- 4最初の逮捕、流刑――《隔離せよ、ただし保存すべし》
- ■評論「ダンテについての会話」オシップ・マンデリシュターム
第六章 一九三四年―三七年
第七章不死への通行証
- 1再び逮捕
- 2シベリア送り、そして死
- 3ラーゲリ伝説の真偽――死の真相
- 4名誉回復―「不死への通行証」
第八章,ネーレウスの娘たち――詩人の愛
- 1マリーナ・ツヴェターエヴァ
- 2オリガ・アルベーニナ
- 3オリガ・ヴァクセリ
- 4アンナ・アフマートヴァ
- 5ナジェージダ・ハージナ
終章マンデリシュタームとパウル・ツェラン――「無名兵士の詩」と「死のフーガ」を中心に
「千もの闇の中を抜けて来た言葉」
あとがき
マンデリシュターム年譜
底本と参考文献
収録詩索引