1970年9月、思潮社から刊行された三木卓(1935~)の第2詩集。装画・装幀は山下菊二。
この詩集は第一詩集『東京午前三時』以降の作品、すなわち一九六六年後半から一九六九年半ばまでの約三年間の作品十四篇で構成している。この間にわたしは三十一才から三十四才になった。
詩を書きはじめたころ、詩を書くということは凄いことだった。そしてその後も冒険でなかったことはなかったし、これからもそうだろう。いや、ますますそうなるかもしれない。恐ろしいことである。詩はわたしの都合など無視して襲いかかってくる。
見返しの文章は「宇宙へのさそい」という若い世代のために書いたエッセーの一部をアレンジしたものである。「戸口の外で」を書くすこし前のことである。それから今度、詩集にまとめるにあたって手を入れた作品もあるが、わたしとしてはこれを決定稿としたい。
(「後記」より)
目次
- わがキディ・ランド
- 1降霊術の夜
- 2誘いの合唱
- 3まっかな場所で
- 4風と泡
- 5キディ・ランド
- 秋の記憶から
- くろい木の下で
- 雨
- 誕生日の前に
- 去ったものたちから
- わが町
- 夕日のなかで
- 吠える男
- 夜あけの町で
- 冬の眠り
- 蟻の土地
- 星間漂流
- 戸口の外で
- 前口上
- 1ロシナンテに翼あり
- 2夜間飛行
- 3詩馬はペテン師に弱い
- 4クレメンタイン
- 5初め良ければあと悪い
- 6擬声語は応用がきく
- 7見たくないものばかり出て来る
- 8戸口の中へ