1985年10月、ワニ・プロダクションから刊行された村嶋正浩(1941~)の第4詩集。
目次
- そのひとは少しずつ窓の方へ……窓ににじり寄る男
- 寒いの?……身体を折りまげる女
- 踊り場の中央で、そのひとは大きく口を……捩れて行く男
- 笑って、笑って、こんなにもいっぱい……声を立てずに泣く女
- 新聞によると午後から雨です、雨ですよ……声を立てて泣く男
- 顔をあらうときまって一日が……顔をあらう女
- 太陽が沈みます……バンザイする男
- ポプコーンが口の中でキューと……ポプコーンを食べる女
- ここからは秋野さんの家が……手を振る男
- あのひとの足先から音をたてて……爪を切る女
- 雨が近づいています……椅子を運ぶ男
- 水が勢いよくホースから飛び散って……水をまく女
- 吊り革が右へと大きく揺れます。……吊り革にぶらさがる男
- ハガキが一枚一枚次々とドラムカンの……焚き火をする女
- 身体が前へ、前へと進んで……坂を下る男
- 車が、車が、車が、車が、車が……変色する女
- 三菱銀行松戸支店のショーウインドー……溶ける男
- 雨が降っています……日傘をさす女
- 樹がにおいます……日焼けする男
- もう、やだやだと思ってしまうと……テレビを見る女
- ぼくは、と書くとあたしは……カタログを見る女(ぼく)
あとがきを書く男、と書く.....あとがきを書く男(あたし)