2004年12月、OFFICE KONから刊行された芝憲子(1946~)の第8詩集。装画は比嘉かな子、カバーデザインは近野十志夫。著者は東京生まれ、1972年から沖縄県に転居。刊行時の住所は沖縄県那覇市西。
この詩集には、二〇〇〇年頃から書いた詩を入れました。私は二〇〇一年の五月から、一年数ヶ月、ニュージーランドとオーストラリアに住んでいました。南半球に行ったのは、はじめてです。おぼつかない英語も、たまに会う日本人との日本語も、すすんで話す日々でした。
九月十一日、アメリカ同時多発テロの日には、ニュージーランドの首都ウェリントンで、昼食に招いた知人と、テレビを何時間も見ていました。それから沖縄に帰り、アメリカが沖縄も使って、イラク戦争に突入するのを見てきました。沖縄を中心として、様々な地域と人々が、ごく身近に感じられた数年です。沖縄は今、米軍ヘリ事故の衝撃で、北半球の重要地点となっています。
(「あとがき」
目次
Ⅰ
- 三線(さんしん)の旅
- マオリの空
- さかさま階段
- 黒服の女性たち
- 世界の友と
- フローラのとなりで
- 熱気球
- チャイニーズ キャベジ
- ニュージーランドの色
- あああ 日本人
- ティナコリ ロード
- 熱い水
- テカポ湖
- モンゴリアン スポット
- 半球
Ⅱ
- ビバ ビエケス
- 鎖つながり波うねり
- 海の糸
- ジュゴンのペンダント
- もどるイラク
- 軍の積み荷
- インシャラー
- 壁の厚さ
- 海をわたってきたサイン
- 火吹き竹
- タンカンの木
- 樹とクリスマスカード
- うしなわれたもの・えひめ丸%
Ⅲ
- 百合
- 笑顔
- シベリア
- 母の音色
- 俳句燃え
あとがき