風紋三十年アルバム 「風紋三十年」のアルバムをつくる会

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 1991年12月、「風紋三十年」のアルバムをつくる会から刊行された文壇バー「風紋」(店主は林聖子)の写真・散文集。装幀は佐々木秀明。

 

 『風紋二十五年』一九八六年刊のあとを受けて、今年の夏、「風紋三十年」のアルバムをつくる会ができた。発起人は、野原一夫、高田宏、粕谷一希渋沢孝輔、戸谷邦弘、松本哉、市岡揚一郎、内藤三津子、晒名昇の九名。仲好しクラブの写真集というのでなく、「風紋」と林聖子さんの歴史を窺うに足るものにしたい、というのがその趣旨で、動きのある写真や、いささか行儀の悪い写真も被写体に無断でいれて、立体的な構成を心掛けた。
 全体を十年ごとの三つに分けて、三百四十余枚の写真と二つの座談会、林聖子さんの父・林倭衛画伯の日記抄を収めた。写真はそのほとんどを林聖子さん所持のものから選んだが、最初の十五年間の写真はきわめて少ない。この時代は、古田晁檀一雄石川淳唐木順三草野心平、辻一氏等、草創期の「風紋」を支えた明治生まれの心優しき英雄たち、または、荒ぶる神々の黄昏の時代でもあったので、残された写真の少なさはことさらに惜しまれるのだが、当時は酒場で写真を撮られることにも撮ることにも慣れない時代であった。
 写真に添えるコラムとして頃合いの文章を、「風紋二十五年』から適当に抜粋、再録させていただいた。中上健次、吉沢伝三郎、川島勝、戸谷邦弘の四氏には、今回新たに御執筆いただいた。ほかに、新聞その他から転載させていただいたものがいくつかある。
 中扉の「風紋」略年表と「風紋」過去帳は、松本哉氏の労作です。アルバムの随所に、辻一、中村直人、寺田竹雄、高頭祥八氏のカットと松本哉氏のイラストを使用させていただいた。
 二つの座談会は、前者を内藤三津子氏、後者を市岡揚一郎、高橋栄一氏が担当し、造本・装幀・レイアウトは佐々木秀明氏が担当した。
(「あとがき」より)

 

 

目次

  • 風紋アルバム 一九六一~七○
  • 風紋アルバム 一九七一~八〇
  • 風紋三十周年座談会その① 新宿・風紋・懐しい人たち
  • 風紋アルバム一九八一~九一
  • 風紋二十周年パーティー
  • 風紋二十五周年パーティー
  • 風紋二人連・風紋紳士録
  • 風紋三十周年座談会その② サロンを超えたわれらの酒場
  • 林倭衛日記抄 林聖子

あとがき


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