1985年4月、現代詩工房から刊行された伊集院昭子の第1詩集。
十三年前、私はつまずいた。前へ進めなくて、一方的に書いた手紙を朝日新聞社の浦和支局、文化欄宛に投函した。その時、見ず知らずの私にすぐに返事をくださったのが、選者である詩人の秋谷豊先生。その時の感激が、私の一日一日をつないでいる。
それなのに、あまりにも勝手に、書くことのよろこびだけを味わってきたように思う。
第一詩集「フーガFuga」原稿をまとめながら、その時その時の自分がみえてきて、確かに私は記録として書いているにすぎないと思った。
これから先は記録だけではいけないと感じ、何度も読み返しては、むなしさを確認した。
詩というものの本当を摑むためにも、書きつづけたい。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ
- セタカアワダチソウ
- つぶやき
- 誘惑
- ひまわり
- 過日
- ハイビスカス
Ⅱ
- 雨
- 沈黙
- 私の詩
- 男
- シャワー
- 夜
- 初夏
- 顔
- 血
- 美(い)い男
- 男
- 一枚の絵
- 男と女
Ⅲ
- フーガ
- MUSIC BY 氷
- もっと甘美に
- ショパン
- ラの音
- 鏡
- あなた
あとがき