1972年4月、津軽書房から刊行された泉谷明(1938~2020)の詩集。カットは泉谷三男。
この本は、今までに出した二冊の詩集、『噴きあげる熱い桃色の鳥』(一九六六年津軽書房)『ぼくら生存のひらひら』(一九六八年津軽書房)を一冊にまとめたものです。
生きて存ることの、あるいは生そのものの矛盾から、自己史を編んできたと思っているのですが、ここでこのような形で刊行されるからといって、何かに決着をつけようなんて大それた覚悟は持ち合せておりません。
これ以上、書く必要がない、のでは勿論なく、その居心地の悪さは、ますます肥大しています。
(「あとがき」より)
目次
・噴きあげる熱い桃色の鳥
- 焦躁
- いやな時刻
- 出発
- やさしい時代
- ゴーゴーどこへ
- 歩く
- あなた あなた
- ぶるーす
- 日常
- ぼくのように
- きょうも、また
- かぱそく唄う独りのめろでい
- おねがい
- 木は立っている
- たたかいへ
- 遠いもの
- どこまでつづく断章
- でかけるぞ
- 崩れていくんだ窓
- 走ってくる朝
- くう
- ここで眠る
- 噴きあげる熱い桃色の鳥
・ぼくら生存のひらひら
- 揺れる対話
- 燃える舟を
- ふるえて燃えろ
- ぼくら生存のひらひら
- 走る
- 放棄はしないぼくらの風景
- 裂けてもドラムはどぼどぼと
- 血をけばだたせそれでもなお
- 鼻歌によるぼくら認識の過程
- 雪が降っている
- ブタはどめんだ。
- ぼくら捕われのけものたち
あとがき