1996年7月、三茶書房から刊行された伊吹ふみ子の随想集。装幀は山高登。
目次
序 内山みち子
●古本屋日記
・はじめに
- 三茶書房・三宿店開業
- 店主の略歴
- 移転
・昭和六十三年
- 古本はお祓いしてから
- 昔日の客
- 山積みの古本仕入れ
- 商売のコツ
- 大失敗の日
- 愛書家
- びんずる
- 読みたかった『メンデルの生涯』
- 奥さまの命日と啄木の短歌
- 知恵遅れの子ども
- 斎藤茂吉の原稿
- 山高登氏の版画展
- 社長のハワイ旅行
- 社長の帰国
- 土地の値上がりと本の値段
・昭和六十四年・平成元年
- 川上澄生「らんぷ」売れる
- お人好しのご婦人
- 版画家・山高登氏の家柄
- ご懇意の吉川氏急逝
- 「三島由紀夫全集」特装版売れる
- 山梨県立文学館誕生
- 飯田蛇笏の「秋の螢」
- 博学のお客さま
- チョビヒゲ様
- 値段のケタをまちがえて
- 芥川の遺稿「或る阿呆の一生」
- お客さまがガラス拭き
・平成二年
- 社長の誕生日
- 雪見酒
- 社長の明治古典会旅行
- 黒タンの置物
- 藤原ていさんの本
- 文庫本一冊五十円
- 売れない本の値下げ
- 樹木希林さんからの仕入れ
- 佐藤愛子『私の履歴書』
- 七夕入札会の下見
- 啄木の手紙と『春琴抄』
- 「こんな年寄りを働かせて……」
・平成三年
- 売れてしまった『漫東綺譚』
- 画家の山口様
- 暗算をほめられて
- 希林さんより本を頂く
- 大山街道のこと
- 『わが詞華集』
- 朝日新聞の記事
- お客さまからの探求書
- 明治薬科大学の卒業生
- 戦争はまだ終わっていない
- 芥川の反古原稿
- 反町茂雄様逝去
- 旧約聖書のこと
- 厄日
- クイズの番組
- 青鳥学園の子どもたち
- 歌会初めの選者
- アナウンサーから大学教授に
- 「亡き奥様によろしく」
- お客さまに手伝わせて
・平成四年
- 初商い
- 富本憲吉の花瓶
- 古本屋へ来る客の心理
- 中川一政生涯展
- 『広重』岩波版名著
- さくら姫、又鬼とは
- 「鏡花全集」
- 盗まれた野口雨情の額
- 駅ビルの食堂さん
- たったひと言が二千百円
- 川上澄生美術館
- 価値ある本に囲まれて
- ウィンドウの中の鍵
- 運というもの
・平成五年
- 阿部公房死去
- おばあちゃん何歳
- あしたに道を聞くことを得ば
- 七夕市下見会
- 元S中学の先生
- 井伏鱒二氏死去
- 万引
- うこんと詩人
- 詩集『むらのたんぽぼ』出版
- 古書通信のお歴々
- 小犬と家出
- たばこの吸いがら
- 会津八一の額
- 『古本屋と作家』の書評
- 隅田川の屋形船
- 五島美術館見学
- 『古本屋奇人伝』著者への手紙
・平成六年
- 針に糸を通してもらう
- 藤沢周平の本
- 国士館の館長の書籍
- 日本文学全集の運賃
- 動物図鑑
- 水飢きん四国の旅
- 洋画家・斎藤真一氏死去
- 脳細胞は年をとらないか
- 夢二の絵はがき
・平成七年
- 古本を売りに来られたお客
- 良書を求めて
- おびんずる後日物語
- 顔面神経マヒ
- 絵をかくより恥をかく
- 値引きをたのまれて
- 古本を拾って売りに来る人
- 値引きを断られたお客
- 幸徳秋水と上林暁
- 老いを嘆いて
- 歌集『暮天に遠く』
- 万葉集の先生
- 変わったお名前のお客さま
- ばれんとは
- 古いひもを使って
- 歌を歌う犬
・平成八年
- 輪廻転生の本
- 逝きし母親からのテレパシー
●老残随想
- 大正時代の農村の思い出
- 日本で初めてのゴルフ場
- 私の好きな季語
- 良寛の史跡を訪ねて
- 一行の日記
- 町田先生
- イカリ草後日譚
- 直子
- 伊吹まさの生涯
- 『芥川龍之介資料集』刊行
- 新版・芥川龍之介全集刊行
- くすり博物館
- 『わが詞華集(二)』への手紙
あとがき
編集者から