1984年5月、小沢書店から刊行された北川透(1935~)の評論集。装画は原健。
目次
Ⅰ 一九八〇年
- 現実概念の多層性
- 〈騙る>主体の挑発力
- 戦後詩の複相的広がり
- 迷宮をはらむ詩
- 新しい現実の構成へ向かう
- 〈病いの位置> の方法化
- 不幸の建設に飢えている
- 無垢な肖像
- 感受性の網くまなく
- 現代を呼吸する
- 公道を拒否する
- 象徴詩の現代的相貌
- 夢見る力
- 構想力なき時代の詩
- 読者に語りかける地点
Ⅱ 一九八一年
- 既成の詩概念を超える試み
- 近代詩史論的構想
- <私>の曖昧なひろがり
- 虚の水を飲む
- 非行文化としての詩
- シュルレアリスムへの現在的関心
- 戦後詩を対象化しうる批評の文体
- 未来からの艶聞
- 痛みのメタフィジック
- 古今往還の詩意識
- 詩と散文の間
- 『月に吠える』期までの重視
- 空無の根底
- 戦後詩の稀薄化
Ⅲ 一九八二年
- 性・家族を批評の視座に
- 深い喪失感に触れる
- 透谷論の新展開
- ウソの逆用
- 存在感に触れる行為
- 時代感情を生きる
- 特異な魅力
- 自由と寄る辺なさ
- 詩学持つ詩の強さ
- 〈過激〉という装置
- リアリティと擬態
- 《いつはり》の詩法
- 〈おんな性〉を読む
- 《必敗の戦場》をめぐって
Ⅳ 一九八三年
- 崩壊を見つめる眼
- イメージ論理学の構想
- きれいごととは反対に
- エッセイの時代がやってきた
- 遠心力と求心力と
- 生活史を浮き彫り
- 内面の消去という場所
- 詩人という物語
- メタファの分解と拡散
- 〈悲歌の時代〉迎える
- 人間的な体温伝わる
- 現在、そして都市の感性
- 表層のリアリティ
- 言葉の囲いから詩が抜け出す
おぼえがき
索引