2017年4月、ふらんす堂から刊行された小笠原眞(1956~)の第6詩集。装幀は君嶋真理子。
日常のことを詩に書いて、それが面白い作品になることが、目下のぽくの目指すところである。それが淋しさであれ、ユーモアであれ、驚きであれ、読み手の心に何かしらの化学反応を起こすことができれば本望なのである。詩的リズムがその反応を、共振し増幅してくれればなお嬉しい。
ここ五年間に書いた詩篇の中から二十七篇を選び、多少加筆し年代順に並べてみた。
これまで、父の詩は一篇も書いたことがなかったが、そのことは恐らく父も気にしていたのではないかと思う。実際、本人を目の前にして本当のことを書くということは、ぼくにとっても矢張り勇気のいることなのである。亡くなって初めて、父の姿を冷静に見つめることができたように思う。つまり、書くという行為を通して初めて父を客観視することができたのかもしれない。
ぼくが所属する上十三医師会の石井淳夫会長から、医師会誌に定期的に詩を掲載してみたらどうかというお話を頂き、ありがたくお受けすることにした。それまで寡作であったが、締め切りができたおかげで詩篇を一気に量産することができたのである。この場を借りて感謝申し上げたい。
(「あとがき」より)
目次
- 哀しい眸
- 向日葵
- 天を仰ぐ
- 淋しい実家
- 斜陽館
- ホテル青森でぼくは初めて生身の詩人泉谷明に出会った
- 恩師の命日|
- 犬猿の仲
- 青池探訪
- 戦争を知らない子供たち
- ぼくの好きな番組
- 抹茶を喫す
- 林檎の国
- 詩は
- PCに弱いぼく
- ぼくは
- 芸術で
- 血に染まった答案用紙
- 父の日課
- 孤独な少年
- 父の配慮
- 三つの文学碑
- 修司へのオマージュ
- 父は身一つで
- 盗み聞き
- 医学部嫌いの父
- 初めての全身麻酔
あとがき
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