1980年3月、響文社から刊行された矢口以文(1932~)の詩集。
響文社の高橋哲雄君から詩集出版のお誘いをうけた。考えてみれば7年振りの詩集である。
ここに収められている詩のあるものは『詩の村』、『曠野』、『あすとら』、『紅』、『現地』、『RoundTable』、『響文』、『新日本文学』等に発表された。
最後の「僕の敗戦前後」は『オリザ』に発表された。この作品には、私自身の実際の経験がかなり入っている。これは詩ではない、と言う人がいるかもしれない。私にとっては、詩の形になっていようがいまいが、大した問題ではない。ただこのような形で以外には表現できなかったし、私の戦争体験をどうしても語りたかった。
この詩集は詩人のためだけに書かれたのではない。詩人の美的感覚をくすぐるために書かれたのでは全くない。友人や知人に、私の思いや感情を分かち合いたかったのである。もし共感が得られなかったら、駄目な詩集なのである。
一九八五年三月
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ
- 夏の終り
- 舟
- 飛んでいるうちに
- 長靴
- 言葉の
- あの時
- 林の中で
- 生まれる前から 私の中に
- 坂本しのぶさん
- だらんと
- はぐれ牛
- 夕張炭住街
- タクシー
- 日高の海岸で
- 音威子府(オトイネップ)のビッキさん
- ビッキさんの幽霊
- 女と蛇
- 丘の上で
- 詩人(すずん)へ
- 田吾作
- 祖父の話
- 先祖たち
Ⅱ
あとがき
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