1987年5月、地球社から刊行された長田一枝(1922~)の第1詩集。装幀・カットは長田國夫。著者は広島県呉市生まれ、刊行時の住所は千葉県松戸市。
詩をライフワークとして生きようと決めたのは還暦の日からです。
幸いにも秋谷豊先生にめぐり会い、先生の講義を受けるようになって五年たちました。
先生や教室の友人、『地球』の先輩の方々に育てられ、昨年「地球」の同人に加えていただくととができました。これまでを一つの区切りとして、この間に書きました詩を集めて詩集を出版するととにいたしました。
昭和激動の時代に生きた私の歴史、少しでも後世に書き残しておきたいと心をつきあげるものがありました。先生が選んで下さいました「戦艦大和回想」「敬礼」「戦傷」は、どうしても人にお話ししたかったもの、「末商」「墓」「空の糸」「鍵穴」は私の子供たちに語り伝えたかったものです。
拙い作品ですが私にとって記念の詩集となりました。
すべてに御指導下さいました秋谷豊先生、私よりお年はお若いのですが、姉のように何かと行き届いた御配慮でおみちびき下さいました山路豊子様、「地球の椅子」で批評をいただきました斎藤庸一先生、斎藤正敏先生、はげみになりました。心から感謝申し上げます。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ
Ⅱ
- 水泳
- 響き
- 五月のフィルム
- 末裔
- 墓
- 空の糸
- 鍵穴
- 羽化
- 自殺劇
- 殺虫
あとがき