1991年9月、雀社から刊行された福間健二(1949~)の詩集。
このところ一年に一冊のペースで詩集を出してきているが、前の詩集『地上のぬくもり』から今日までの時間はいままでのどの一年間よりも過激に事件がつまっていたといえそうだ。事件は近くでも遠くでもおこった。その距離も振動の大きさも目を閉じて思うたびにちがってくる不安があった。結局のところ、詩を書くことに執着したほかにはどう動いて何をしたということもなかった気がしている。朝早く起きて書きつづける一日がやってくることに幸福を感じた。詩集をまとめる作業に入ってからは毎日のように詩集の姿が変化した。ちがった演奏の可能性がたえず見えてくる気がした。そしてここにあるものができた。できあがったというよりはある一日の演奏を定着したというのがあたっている。註をふたつ。二編の「国分寺」は〈ジライヤ〉の佐藤泰志追悼特集号に発表した。「私は悲しまない」は、〈鳩よ!〉からの、「ペルシャ湾の原油にまみれたウミウ」にむけて作品あるいはエッセイをという依頼に応じたもの。私はその画像にむかって書いた。
(「あとがき」より)
目次
a
b
- 森の読み方
c
- ロボットの自己改造
- 本物の恋
- パジャマ工場の秋
d
- つぎに会うときは
e
- その人を見ないようにして
f
- 行儀のわるいミス・ブラウン
- 川べりのお姫様
- 走れ、絹子
- 頭脳を侮辱しないスー
- 催眠術
- マドンナ
あとがき
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