雑文雑記 北窓灯語 下村保太郎

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 1979年11月、情緒刊行会から刊行された下村保太郎(1909~1985)の随筆集。著者は版画家、自装。

 

 北窓灯語――随筆でもなく、勿論エッセイなどという高踏的な文でもなく、単なる私だけの愛書の記であり、旅の思い出でであり、時としてはささやかなる生活記録にすぎぬもの一寸した随想記である。
 『竹吉新一郎小詩集』木内進兄の『幼年歳時』富岡由香さんの『わたしの四季』などの詩集刊行に関与した故か、又は畏敬する尚古堂主人などから、一冊にまとめてみては――などという好意的なおだてに、つい乗ってしまい……と書くと、他人に転嫁したように思われそうだが、それは名目で、上記の方々の詩集を手がけてゆくうち、一冊位、自分の本を造ってみたいなァ――そんな気持ちから、こんな一冊を作る気持になったのです。
 『情緒』誌上に毎号、頁をさき「北窓灯語」なる雑文を掲載してきました折に、よくお便りを下さいました参拾人余人の方々と、私の極く親しい方々、話しの中で、北窓灯語に言及される数人の方々などを考え、僅か八拾部を限って上梓することにしました。
 『情緒』が今年八拾号を刊行したから八拾部かな――そう思う方がおられましたなら、私にとって嬉しい思いも湧いて参ります。
 それらのこともあり、限定八十部とはしましたが、1冊1冊への記番は致しませんでした。
(「余情寸語」より)

 

 

 

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