1995年10月、深夜叢書社から刊行された津沢マサ子(1927~)の句文集。装画は津澤薫、装幀は小原宏延。著者は宮崎県椎葉村生まれ、刊行時の住所は調布市国領町。
本集は、『空の季節』以後、三年間の作品一五〇句と、私が俳句形式にかかわってきた歳月のなかで、原稿依頼を受けて書いてきた文章やコメントの類を一冊に纏めたものである。その本意は、多くの恥や外聞を忍べば、唯一このことによって、<失った時間>を取り戻せるのではないかと思ったからである。
(「あとがき」より)
目次
風のトルソー
- Ⅰ 1994
- Ⅱ 1993
- Ⅲ 1992
Ⅰ
- 私の俳句形成
- 俳句という名の定型詩に加担して
- 現代俳句へ向かう姿勢と反省
- 佐藤鬼房作品―編者ノート
- 『橢圓の書』そして
- 女性俳句における女性幻想
- 夏百日大空あるを怒りいて
- わが作句信条
- アンケート昭和俳句検証
- 「いかに師を受け入れ、いかに離れたか?」―重信のこと
- 一句は一句のままがいい
- わが俳句わが近況
- 宮入聖氏へ宛てた手紙の中の断片モノローグ
- 今、俳句に願うこと―
- 唇のまわりの枯れてしまった日
- メモ帳より
- 赤黄男「クロノスの舌」
- こころに残る戦後俳句
- その曲の名は
- 〈俳句にとって現代とは何か〉について・他
- 〈俳句における現代性〉について
Ⅱ
- 鎌倉の一句
- 鷹女の鷹
- その不合理ゆえに
- 「花殿」田中幸子句集
- 句集『春乱』に寄せて
- 佐藤三保子句集『青墨』にふれて
- 私の読んだ『俳句の現在Ⅰ』
- 宮入聖句集「千年」・小海四夏夫句歌集「野桜のうた」を読む
- 哀悼岩尾美義
- 情熱の死―わが岩尾美義
- 宮入聖句集『聖母帖』
- 角川春樹句集『一つ目小僧』鑑賞―魂の周辺
- 太田紫苑句集『山の音』―魂との対話
- 曇り日の憂欝―四つ谷龍句集『慈愛』
- 蓮糸の光茫―冬野虹句集『雪予報』
- 岩尾美義―その人と作品に触れて
- 中田剛「忘れられざる句集」評雑感
- 内と外と
- 犀の一句
- 冬の季語の置き方
- 『半跏坐』の一句
- 加藤佳彦句集『漏刻』の一句
- 花岡昭作品「嵯峨豆腐」によせて
- 中拓夫句集『暁鷗』の一句
Ⅲ
- 私の中の「ふるさと」―「ヤブに火を入れ申す」山の神に祈る
- 越前の海
- 野良猫のかげ
- 猫によせて
- 彼岸花
- 欅の枝と忘れもの
- 春を待つ
- 秋深く
- ちょっと気になります
- 君の名は
- 愉快なクレープス
- 動物たちの真実
- 彼岸過ぎまで
- 祭袢纏
- マイランド
- エゴについて
- イルカと猿
- 或る持論
- えるえむえぬ
- 草
- 走れ輓馬よ
- 『楠圓の書』あとがき
- 晩夏あるいは挽歌
- 一九七九年夏への詞
- 荒川十五章
- 十章
- 日月抄
- 荒野へ
- 風の言葉
- かげと影
- 十五行のMEMO
- コメント
- 受賞のことば
- 「現代俳句協会賞」受賞感想
- その一言で三十年前に
- 昭和十四年から十八年ごろ
Ⅳ
- サコの記録―ある日のたくらみ
- 谷間と刀のある村の話
- 朦朧
- 百草園吟行記
- サコの記録―日記抜粋
- 続・サコの記録(1)
- 続・サコの記録(2)
- 続・サコの記録(3)
- 続・サコの記録(4)
- 続・サコの記録(5)
- 続・サコの記録(6)
- 続・サコの記録(7)
- 続・サコの記録(8)
- ああ元日
年譜
あとがき