野の書物 阿部日奈子

 2022年7月、インスクリプトから刊行された阿部日奈子(1953~)のエッセイ集。装幀は間村俊一、写真は小原佐和子。

 

目次

治学』

  • 時代は変わる 『青年〉の誕生――明治日本における政治的実践の転換』
  • 言語化された安川加壽子のピアニズム 『翼のはえた指――評伝安川加壽子』
  • 意志と情熱がほとばしるフィルモグラフィ 『映画監督 増村保造の世界――

《映像のマエストロ》映画との格闘の記録 1947-19886』

  • 名訳詞華集に託された祖国への思い 『金素雲『朝鮮詩集』の世界―――祖国喪

失者の詩心』

  • 亡命人生をも愛した不屈の映画人 『ベーラ・バラージュ――人と芸術家』
  • はざまにいる容疑者 『容疑者の夜行列車』
  • 妄執の伽藍を支える饒舌 『女學校』
  • 周作とは誰か―『秋津温泉』に見る戦後批判  『秋津温泉』
  • バランシンとファレル 『バレリーナ スザンヌ・ファレルの回想――バランシ

ンと私』『バランシン伝』

  • 「放っといてくれ」――自閉と自足 『ベケット伝』
  • 典雅によろめく令夫人――デルフィーヌ・セイリグ 『ブルジョワジーの秘かな

愉しみ」

  • 無為のついたての内側で起こっていること 『ヴィオルヌの犯罪』
  • 世界の再生を祈って炎に包まれた僧侶 『焼身
  • 名付けえぬ関係のほうへ 『ルーガ』
  • この人の推す本なら読んでみたい 『アジアを読む』
  • 子の〈文弱〉を受け容れる父 『悲劇週間』
  • 回想が照らし出す文豪の心性 『谷崎潤一郎伝――堂々たる人生』『谷崎家の思
  • い出』『われよりほかに――谷崎潤一郎 最後の十二年』
  • 当事者の声を聴く 『私は「蟻の兵隊」だった――中国に残された日本兵』『棗

椰子の木陰で――第三世界フェミニズムと文学のカ』『島唄の奇跡―白百合が奏

でる恋物語、そしてハンセン病

  • 読書日録Ⅰ 『音楽と文学の対位法』『映画と身体/性』『衰耄する女詩人の

日々』

  • 読書日録Ⅱ 『虹の鳥』『文藝ガーリッシュ――素敵な本に選ばれたくて。』

『蝶か蛾か』

――人間の大地 労働』『素描、その果てしなさとともに』

  • 舞踊家・伊藤道郎の見果てぬ夢 『夢なしにはいられない君――舞踊家・伊藤道

郎の生涯』『伊藤道郎 世界を舞う――太陽の劇場をめざして』ほか

  • 愚行からしたたり落ちる光 『悪人』
  • 苦の娑婆だからこそ生きている 『とげ抜き――新巣鴨地蔵縁起』
  • ダニエル・シュミットのスイス絵本 『楽園創造――書割スイス文化史』
  • 調べと意味、力点の異なる二つの訳詩 『再訳 朝鮮詩集』
  • 強い母が老いるとき 『精G――母と子の絆』『シズコさん』『マザー・ミレッ

ト』

  • 事実は映画のなかで生き続ける 『ドキュメンタリーの海へ―― 記録映画作家

土本典昭との対話』

  • つくろわない文章の魅力 『小高へ――父 島尾敏雄への旅』
  • 死者に捧げられた文学 『光の曼陀羅 日本文学論』
  • 人生の闘士になった心情新左翼 『フランス的人生』
  • 病んで聴くチェット・ベイカー 『美と破局 辺見庸コレクション3』
  • 眼福ムラタ・コレクション 『偏愛ムラタ美術館』
  • 譲らない人々――十冊の本 『山窩調』ほか
  • 子供っぽさについて 『文学と悪』
  • 間にあった評伝 『吉本隆明の帰郷』
  • だいこんと沖縄 『だいこん』
  • ルネの言葉 『サド侯爵夫人』
  • ノマドロジストの知と気骨 『きだみのる―自由になるためのメソッド』
  • アレクサンドリアの厭世詩人 『ギリシア詞華集3』
  • 雲を追いかけて 『鎌倉佐弓全句集』
  • 嘘とめっき――『生命の樹』の由美子 『生命の樹
  • フーリエと私――詩「未来はオーレンカのもの」をめぐって 『愛の新世界』
  • いのちを分かちあう食卓 『パンと野いちご――戦火のセルビア、食物の記憶』
  • 叡智をふだん着のようにまとい冒険へ出かけた人 『須賀敦子さんへ贈る花束』
  • 試金石としての〈女の半生〉 『眠る女』
  • 二重になった世界 『空き家の夢』
  • 素晴らしい低空飛行 稲垣足穂〈飛行機もの〉あれこれ/『黒ヶ丘の上で』
  • 篋の底の詩 『神西清全集』第一巻
  • 放浪の歓び 『旅の重さ』
  • アマビエとロマネスク 『ロマネスク美術革命』
  • 二○○○年代の軽やかなパロディ精神 『歌舞伎ゆめがたり』
  • 多感な自然児 『波紋』
  • 誰にも居場所がある世界 『「戦後」の思想――カントからハーバーマスへ』
  • 野の書物――多感な自然児の系譜

初出一覧
「野の書物」 に登場する書籍・映画のリスト

 

NDLで検索
Amazonで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索