1988年12月、潮流出版社から刊行された安里健(1969~)の第1詩集。著者は東京生まれ、刊行時の住所は中央区。安里健=安里ミゲル。
いかがでしたでしょうか。
この詩集は、僕の一冊目の詩集です。僕が意識的に詩を書き始めたのは十四歳の後半ですが、ここには十八歳後半から十九歳前半にかけて書いたものを収録しました。つまり、僕が詩というものを、自分以外のなにものかに、自らの主張なり考え方を表現するものとして認識した時期の作品群ということになります。
僕は、自らの武器として詩をより有効なものとして書きまくりますが、それはいわゆる芸術なるものに取り憑かれて訳のわからない言葉をこねくりまわすよりも、よほど芸術的だと考えています。今後とも大勢(体制)に阿る事なく読んですぐ解る詩を書いていきたいと思います。おわりに村田正夫氏、麻生直子氏のアドバイスが僕の詩作に大きなヒントとなりましたことを、感謝したいと思います。
(「あとがき」より)
目次
- 三面記事Ⅰ
- 三面記事Ⅱ
- 蜘蛛の糸
- 南瓜のメルヘン
- だいがくにはいれない
- 代々木ゼミナール
- スズメバチ
- 往生際
- 現代御伽噺
- 巨大な無機物
- ゴキブリ讃歌
- 猫の路地裏
- トレ・ボンにて
- 花子抄
- 銀座の猿
- まったく新しい世界
- 畳の烏賊
- 傘
- 天下の周りもの
- 神園町の怪
- 動物園のライオンの言うには
- 真摯な紳士
- 人間の死
- 名無しの権兵衛
- 公園輪舞曲
- 犬
- 現代版・母さん
- 現代版・カラスの子
- 最新版・象さん
あとがき