2015年9月、編集工房ノアから刊行された今井直美男(1932~)の第2詩集。著者は大阪府生まれ、刊行時の住所は堺市。
六十三歳で定年退職したとき、朝日カルチャーセンター島田陽子先生ご指導の「歌う詩を書く」教室に入りました。僕は理科系出身で、初めのうちは詩については意識が低く、惰性で教室に通っているだけでしたが、島田先生のご指導のお陰で、詩を書くことがだんだん楽しくなってきました。喜寿の年に、詩集『僕は昭和一ケタ』を上梓することができました。その後も教室に通い続けましたが、悲しいことに平成二十三年四月十八日島田先生が逝去されました。先生はその五年ほど前に手術を受けられ、治療をしながら僕たちの指導を続けて下さっていたのでした。その頃の先生のお心の中を思い偲ぶと、胸が一杯になります。
島田先生は亡くなられましたが、生徒たちは教室を継続することを強く希望していましたので、江口節先生に指導をお願いしました。江口先生が引き受けて下さいましたので、朝日カルチャーセンター「詩を読む詩を書く」教室が開講しました。島田先生のお教えを受けていた別の二つの教室も、同じく江口先生を師に迎えて勉強を続けています。江口先生の卓越した指導力により、生徒の一人一人がそれぞれよい面を引き出して頂いていると思います。僕自身の進歩は微々たるものですが、この度二冊目の詩集『轍』の刊行にまでこぎ着けました。江口先生の懇切なお教えに衷心より感謝申し上げます。
二年ほど前、朝日カルチャーセンターの「パステル」と「クロッキー」の教室に入り、辻司先生のご指導を受けています。まだ大へん未熟ですが、自分の詩に自分でカットを描いて見ました。辻先生は生徒の個性を損なわないよう配慮しながら、いつも見守っていて下さいます。辻先生のお気遣いに心よりお礼申し上げます。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ 揺れながら
- おかず
- 日本とドイツとイタリアと
- 友達1
- 僕の開戦と終戦
- 生まれたのは
- 通学電車
- 揺れながら
- おばちゃんの切符
- 化学の授業1
- 化学の授業2
- 雪に遊ぶ
- 整形外科1
- 整形外科2
- 友達2
- 友達3
Ⅱ 鯖の味
- 鯖の味
- 食べる
- 畑とともに
- 玉ねぎ
- キュウリ
- 畑の友達
- 旱魃問題
- 僕とビール
- モッタイナイ商品
Ⅲ ロンドンのバス
- ロンドンのバス
- 劇場
- ロンドンの友達
- しきたり
- エジプトのガイド
- エンリケ航海王子
Ⅳ 虹の脚
- 虹の脚
- コピー機の前で
- 輪
- つながる
- 喧嘩相手
- 妻という字
- パーソナルチェア
- 作る
- 友の言葉
- 春雨
あとがき