2018年10月、思潮社から刊行されたこたきこなみ(1936~)の第7詩集。著者は北海道生まれ。
思春期のころから私は家と名のつくものに違和感があった。
何故人はそこに囚われなくてはいけないのか、何とかしてそこから外れよう。それでいて無為に時は流れ、気がついてみると折に触れては家族、血縁についての作品を書きためていた。あらためてその意味を考えずにはいられない。
それらを久しぶりの抒情詩集としてまとめるにあたり、二十年前の「幻野行』にハイセンスな造本をして下さった思潮社さんに委ねることになった。
(「あとがき」より)
目次
序
- 花冷えの土の顔
Ⅰ
- 枯野の舟
- たとえばひとひらの印画は
- セピア色の面影に
- 欠けら
- 追憶装置
- 禁域
- 彩色
- 相似のひと
- 遠来
Ⅱ
- 酸素
- 薔薇のいれずみ
- 垂乳根(たらちね)の
- 誘拐でんわ
- お泊まり保育
Ⅲ
- 家路
- 蚊柱の人
- 寄る辺
- 闇鍋の日々を来て
- 幻住所
あとがき