
1950年12月、詩集「花」刊行会から刊行された内海信之(1884~1968)の詩集。
予幼より甚く花を好む、十七八才詩を試み初めしが、おのづから花を詠ぜるもの多し、茲に輯むる百三十八篇即ち是なり。されど身世多忙ともすれば筆に疎み、近年の作は僅々五大篇に過ぎず、他は皆二三十年前の作にかり、雑誌「明星」「文庫」「新声」「新潮」「新文林」「音楽」「音楽界」等に掲げたり。
爾來星霜幾十度、形、想両ら現詩壇の傾向と相容れざるものあるは自らよく之を知る、そをしも梓に上すは只若き日の形見として留め置かむが爲めのみ。
「時」と共に消散し湮滅すべかりし悪詩の纏まりて一集を成し世に出づるを得たるは偏に三木茂右衛門、黒川鉄朗両君の好意に依る、記して以て感謝の意を表す。
一九五〇年陽春 光明山北の里にて著者
(「自序」より)
目次
- 自序
- 花
- 一、創造
- 二、染彩
- 三、散布
- 四、満開
- 五、讃美
- 春の花と秋の花
- 向日葵と牽牛花
- 福壽草
- 待宵草
- 人面草
- 勿忘草
- 虞美人草
- 都わすれ
- 鬼あざみ
- 花すみれ
- 鳥かぶと
- 向日葵の歌
- 白百合の歌
- 紅薔薇の歌
- 花のをしへ
- 花と実と
- 花さだめ
- 花の恋
- 花のこゝろ
- 花を愛でゝ
- 紫雲英
- 菜花
- 蒲公英
- 松笠つばき
- 蜜柑の花
- 彼岸花
- 竹の花
- 合歓の花
- 枕上の花
- 遠野の花
- 道辺の花
- 花御堂
- 牡丹花
- 隣垣の花
- 火葬場の花
- 峠の花
- 花ぬすびと
- 君がほとりの四つの花
- 君が窓辺の花ざくろ
- 君が籬根の花うばら
- 君が庭面の花つゝじ
- 君が門辺の花あやめ
- 百合のにほひ
- 薔薇のにほひ
- 花ちる日
- 花落つしきり
- 花のまぼろし
- 落花を喞みて
- チウリツプ
- 落つばき
- 日照草
- 凌宵花
- コスモスの花
- 桔梗の花
- 籬の菊
- 山路の萩
- 千日紅
- 月見ぐさ
- 緋桃の花
- 深山の櫻
- 軒端の梨
- 沈丁花
- たがらしの花
- 鈴蘭の花
- 枳殻の花
- 菁莪の花
- 棕梠の花
- フリーシヤ
- わすれなぐさ
- 豌豆の花
- 菜種の花
- 茄子の花
- 夕顔の花
- 藻の花
- 皷子花
- けしの花
- 百合のたより
- 花を盗まれて
- 柊の花
- 毒芹の花
- 菊花
- 睡蓮
- 野いばらを封じ入れて
- ダリヤを贈るに添へて
- 菖蒲
- 菊花を手向けて
- 涙にうるむ六つの花
- 雛げし
- 日照草
- 月見草
- 蘭の花
- コスモス
- 梅花
- 福壽草
- 蕃紅花
- 木蓮花
- 毒うつぎ
- 蘭蕉の花
- 野茨の花
- 泰山木の花
- 紫陽花
- 鳳仙花
- 露ぐさ
- 獄窓の花
- 温室の花
- 花を小鉢に移して
- 花を剪るとして
- 花を地に下して
- 名なき小草
- 枯花を捨つるとして
- からびし花
- 名知らぬ花
- 遊説途上の花
- 家園の花
- 遺せし花
- 城趾の花
- 枯れし蕾
- 忘れし花
- 古木の花
- 朽井の花
- 路傍の花
- 日蔭の花
- 線路の花
- あだ花
- 寄生花
- 残んの花
- 褪せたる花
- 高嶺の花
- 墓上の花
- 大なる一輪の花
- 衰へし老樹の花
- 非時花
- 青き花
- 黒き花
- しぼまぬ花