
1994年4月、潮流出版社から刊行された久保寺亨(1951~)の第5詩集。著者は神奈川県生まれ、刊行時の住所は海老名市さつき町。
どこの馬の骨とも知れない奴が、「迷いの跡」だとじゅうじゅう承知しながらも、また一つ『凸凹(でこぼこ)哀歌』なる夢料理を、おずおずと出品することになったのですが、むろん夢料理と言いましても、材料は心の網にひっかかった現実でありまして、それなりの歯ごたえはあるかと思うのですが、さて、いかがなものであったでしょうか
この馬の骨は、あやしげな空間をうろついたり、ヘンな存在実験めいたものをやったりしているものですから、あまりまともな馬の骨とは言えませんが、それでも、アンデルセンの『天使』に描かれた「天国」の光景――天使たちが、神さまのまわりを、ごく近くからだんだん遠くまで、大きな輪をかいて、はては無限のかなたまでひろがりながら、みんないっしょになって歌をうたっている光景をうっとりしながら思いうかべてみたりもするのです。
ガラス窓を、風が時折りたたいていきます。馬の骨は、しらふでこれを書いているわけではありませんが、さほど酔ってもいないようです。
(「あとがき」より)
目次
- 夢舞台(ユダへの弔辞)
- 俗アントニウスの一夜
- 八月のメランコリア
- 『赤ずきん』談義
- 臨床
- 白い道(白い河)
- 「しろぶりじあ」
- ぶらぶらポエム
- ある日のモノたちのモノローグ
- 「モナ・リザ」受難
- もくさんに捧げる哀歌
- 日付のない日の走り書き
- 円禱
- ×月×日(とほうにくれて)
- 阿呆のエチュード
- 夏のエピローグ
- 穴のあるメルヘン
- めめんと・もり
- 神工呼吸
- 「天国」についての対話的素描
あとがき